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安倍総理が気づかない、世界を根底から覆す「トランプ政権の闇」=岩崎博充

ウォール街の行き過ぎたグローバリズムに「NO!」を突き付けた白人

その結果、何が起きたかといえば、白人の中流家庭から数多くの雇用が奪われ、その代わりに移民が増えて社会全体に「格差」が拡大することになる。

とりわけ、それまで米国政府が推進してきたグローバリズムや新自由主義、ネオコンといった世界全体をよくすることが、米国の繁栄と成長につながるという言葉を信じてきた白人中流階級が、職を失い、行き場を失いつつあった。

世界の警察官として、中東など世界中に兵を送って戦ってきた「復員兵」の存在も、今回の大統領選挙では大きな力を持ったといわれる。いわば、米国が第2次世界大戦後、半世紀以上にわたって維持してきた「価値観」が今回は問われてしまったというわけだ。

考えてみれば、あらゆるところにその兆候は表れていた。とりわけ、リーマンショックで大幅に規制されるのではないかと思われていた、ウォール街主導の「金融資本主義」はかえって拡大し、数多くの若者をデモや座り込みに参加させた「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」運動などもその一つだ。

さらに、世界の99%の富はわずか64人の大富豪によって独占されている、といった不公平な社会に対しての不満が鬱積していた。その不満が移民排斥人種差別といったものに転嫁されていったわけだが、そこに付け込んで勝利を手にしたのがトランプだ。

トランプは「ポピュリズム(大衆迎合主義)」の手法を取り入れて勝ち上がってきており、そうしたものを受け入れる土台が、現在の米国には形成されてしまっていたともいえる。

ドイツでヒットラー政権が成立した時も、第1次世界大戦で莫大な戦争賠償金を課せられて鬱積がたまっていた時代背景があった。ヒットラーは、人々の鬱積を巧みに突いてファシズム政権を作り上げて、独裁政治にまで昇華させてしまった。

そういう意味では、トランプ大統領の誕生は、戦後米国が築き上げてきたリベラルの世界秩序を根底からひっくり返す可能性があるということだ。

Next: 米国民は「世界の平和」よりも「自国の豊かさ」を選んだ

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