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現役世代「生き残り」のマイホーム戦略~銀行住宅ローンに潜む罠とは?=東条雅彦

フラット35なら本当に大丈夫?総本山の住宅金融支援機構に聞いてみる

銀行独自ローンは、固定金利タイプであっても、適用金利が見直される場合があるというのは驚きです。しかし「フラット35」であれば、財政破綻を含む有事の際でも、固定金利が維持されるのでしょうか?気になったので、住宅金融支援機構に直接、電話で聞いてみました。

東条:
25年ローンで2,000万円の借り入れを検討しているのですが、金利はいくらになりますか?

担当者:
それは取り次ぐ金融機関によって異なります。25年ローンですと、一番安い所で1.1%、一番高い所で1.9%です。住宅金融支援機構のホームページの方で検索して、各金融機関の金利をわかるようにしていますので、もしネット環境がありましたらご確認願います。

東条:
わかりました。ありがとうございます。後で確認します。ところで、申し込む金融機関によって金利が異なるのはなぜなのでしょうか?

担当者:
「フラット35」を取り扱っている金融機関ごとに、手数料の設定が異なっているためです。

東条:
そうなんですね。わかりました。あと、電話をする前に住宅金融支援機構のホームページで確認して、「フラット35」は住宅ローンを証券化して投資家に売る仕組みになっているという説明を読みました。実際にフラット35を申し込みたい場合は、住宅金融支援機構ではなく各金融機関に申し込むという理解でよろしいでしょうか?

担当者:
左様でございます。私共(住宅金融支援機構)では直接、ローンの申し込みを受け付けしておりません。

東条:
どの金融機関から申し込んでも、住宅ローンを証券化して投資家に販売するという一連の流れや仕組みは同じなのでしょうか?

担当者:
はい、同じ仕組みになります。

東条:
住宅ローンの審査に関してなんですが、例えば、A銀行に申し込んで審査に落ちたのに、B銀行に申し込んだら、審査が通るということもあるのでしょうか?

担当者:
可能性としてはあります。「フラット35」の審査は、窓口の金融機関さんと私共の2カ所で行っています。私共の審査基準は同じなのですが、金融機関の審査基準はそれぞれで異なります。

東条:
わかりました。ありがとうございます。最後にもう1点。実は「フラット35」の契約の件で、少し気になっていることがあります。民間金融機関の住宅ローンでは、固定金利契約でも有事の際には金利が変動しうる、という文言が契約書に入っていました。「フラット35」でも、途中で金利が変動してしまうという文言が契約書に含まれていますでしょうか?

担当者:
いえ、含まれていません。「フラット35」では、最初に決めた契約の金利が途中で変わることはありません

東条:
日本政府の財政破綻、天変地異による大規模な自然災害の発生、地政学上のリスクの顕在化など、様々な理由で市場金利が10%、20%とあり得ないレベルで上昇しても、大丈夫なのでしょうか?

担当者:
はい、大丈夫です。契約書にも、そういう文言はありません。

東条:
それは、どの金融機関から申し込んでも共通でしょうか?

担当者:
はい、共通です。「フラット35」の契約の中身については、すべての金融機関で同じものとなっています。

東条:
わかりました。ありがとうございます。

なぜ「フラット35」は完璧な固定金利を実現できるのか?

実際に電話して確認を取った結果、「フラット35」は何があっても途中で金利が変わらない契約になっていることが判明しました。

「フラット35」は、住宅ローンを証券化して投資家に販売する仕組みなので、住宅金融支援機構も各金融機関も、債務不履行のリスクを負っているわけではありません。しかし、銀行独自ローンは金融機関の自己資金で行うため、債務不履行のリスクを銀行が自分で被る格好になっています。

この仕組みの違いにより、銀行独自ローンでは固定金利であっても、有事の際に金利を動かせる文言を契約書に入れていることが多いのです。

Next: 金利変動型の住宅ローンは、自賠責なしの自動車運転と同じだ

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