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現役世代「生き残り」のマイホーム戦略~銀行住宅ローンに潜む罠とは?=東条雅彦

金利変動型の住宅ローンは、自賠責なしの自動車運転と同じ

ここからは、変動金利型の住宅ローンに話題を移します。前回の記事で、住宅ローン相談窓口の担当者から、「固定金利と変動金利の申し込み割合は半々」だと教えていただきました。このことが本当なのかどうか、確かめてみました。

住宅金融支援機構の調査によると、民間住宅ローン利用者の調査実態では、住宅ローンの金利タイプ別に、正確には次の割合になっています。

<住宅ローン タイプ別利用者割合>

・全期間固定型:36.0%、
・変動型:38.7%
・固定期間選択型:25.3%
※出典:住宅金融支援機構 調査部 2016年6月

固定期間選択型」は、名称の頭に「固定」とついてはいますが、契約上は「変動型」の商品となっています。固定期間の終了後に適用金利と返済額の見直しが行われ、返済金額の上限も特にありません。固定期間終了後の返済額が大きく増加することもあるので、注意が必要です。

<固定金利契約と変動金利契約の違い>

・固定金利:返済総額が一定である(全期間固定金型)
・変動金利:返済総額が際限なく上昇する可能性がある(変動型/固定期間選択型)

返済総額が変動する契約は、実質的には「変動金利」なので、全体の64%の人(約3人に2人)が「金利上昇のリスク」に晒されている状況になっています。

ところで、自動車を運転する人には、自賠責保険の加入が義務付けられていますが、それはなぜでしょうか?それは、万一、交通事故を起こしてしまった場合、損害賠償の金額が高額になる場合があるためですね。

50年間に1度でも人身事故を起こす確率は、52.07%(約2人に1人)だそうです。
※出典:警察庁 余暇開発センター

つまり自賠責保険に入っていても、この保険が大活躍するのは、一生に一回あるかないかの確率なのです。自賠責保険の保険料は普通車で2年27,840円ですから、50年間では696,000円になります。

自動車の自賠責保険への加入を選択制にした場合、「約70万円を節約するために自賠責保険には入らない」という人も、おそらく出てくるでしょう。

しかし万が一、無保険の状態で人身事故を起こしてしまったら、損賠請求が高額に及ぶため、自動車を運転する者は全員必須とされているわけです。

いっぽう、政府が財政破綻するのは、過去800年間の統計では「100年に1回あるかないか」の確率です。日本では1946年に一度、実質的なデフォルトを起こしていて、今、70歳以上の日本人はこのイベントに遭遇しています。

変動金利型の住宅ローンは、金利が上昇する局面ではローンの総額が際限なく跳ね上がる仕組みになっています。変動金利型の住宅ローンを組むのは、いわば自賠責保険にすら入らずに自動車を運転しているような状態です。

少しシミュレーションしてみれば、その危険性が身に染みてわかります。

Next: 日本が財政破綻しなくても、変動金利型ローンには危険がいっぱい

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