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投資家が警戒する「第2のプラザ合意」と超円高を日本が回避する方法=矢口新

理念や建前が抑圧してきた「本音」の復権

例えば、1990年代に導入されたBIS規制は、グローバル・ビジネスを行う銀行の健全化が目的とされていた。ところが、当時はいくつもあった金融機関のトリプルAが消滅したどころか、優良とされていた銀行が多く破綻し、多くが吸収合併し、健全と目されるところがほぼなくなった。

見方によれば、BIS規制があったからこそ、ドイツ銀行でも(当時はトリプルAだったが)生き残れていると主張することは可能だ。仮に、BIS規制がなければ、日本にはもはやメガバンクなどなかったのだろうか?

とはいえ、基本的には世界経済が拡大してきた中で、健全な銀行がほとんどなくなったのは何故か?BIS規制こそが、銀行の健全化を阻害してきた可能性はないのか?

しかし、ここでの最も大きな問題は、BISの決定が民主主義的、あるいは市場経済的に株主などの監視のもとに行われているのかということだ。

「エリート官僚主義」や「理念優先主義」のもとで起きたのは、結局は、貧富格差の異常な拡大だ。今や富豪トップ8人が、地球の全人口の下位半数の資産を所有している。2007年以降は国家間の格差も拡大した。国際エリート官僚たちは、いったい誰のために尽くしてきたのか?

それでも、「エリート官僚主義」や「理念優先主義」のもとで地位を高めた人たちもいる。理念や建前は、しばしば実体や本音を覆い隠す。ここ数十年間で報われた人たちが、反トランプ大統領であり、反ブレグジットであるのは、これもまた自然なことなのだ。

米国による極端な円高誘導は困難、あとは日本次第!

円に関すれば、日本の貿易収支は再び黒字化したが、米国が保護主義政策を採ると、異常には偏らない。このことは、実需が円買いに大きく偏ることはないことを示唆している。また、米国金利の上昇傾向が動かないとすれば、日米金利差は拡大し、資本面での円売り需要が高まる

つまり、日米の貿易協定の中に、通貨安誘導に関する為替条項を盛り込んだところで、効果的な円高誘導は難しい。超円高は杞憂に終わるのではないか。もっとも、トランプ大統領に恐れをなして、財務省・日銀が大量の円買い介入を行うことがなければだが。

日本の政治家、当局が「自国第一主義」を採ってくれれば、円安・日本株高は自然な流れかと思う。米株も、「米国第一主義」のもと、しばらくは上昇トレンドを維持できると見ている。


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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年1月31日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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