【自分の能力を最大限に発揮するために必要な“4つの視点”】
おそらく、あなたも感じていることだとは思いますが「才能は1人に1つ」とは限りません。通常はいくつもあるものです。タイプも人によって違い、「1つの才能だけが突出していて、後は全部“鳴かず飛ばず”」という人もいれば、「他人よりはデキる才能をいくつか持っているけれど、どれも突出とまでは言えない」人など、さまざまです。
一般に、人が何かを行う際に、「たった1つの能力だけで成果を出す」ということは実際には稀でしょう。たとえばスポーツ選手であれば、「ボールに反応する瞬発力」であったり、「脚力が優れている」など、現実にはさまざまな能力を組み合わせて成果に結びつけています。
ですから、自分の能力を最大限に発揮するためには、
- 自分にはどのような能力があるのか?
- 何が得意なのか? 得意の度合いは?
- 何が不得意なのか? どうすればそれを補えるのか?
- これらをどう組み合わせていけば、戦いに勝ち残っていけるのか?
といったことがポイントになるでしょう。
中には当然、あっても仕事には直接、関係のない能力もあります。たとえば、会社員の人が足が速くても、仕事に活かす機会はないのと同じです。自分自身は1人ですが、実際は「複数の能力をどのように組み合わせ、操るか?」という総力戦だ、ということです。
この概念は、組織に対しても応用が可能でしょう。「自分の能力→他人が持つ能力」「自分の能力を組み合わせる→他人の持つ能力を組み合わせる」と置き換えればいいワケです。
ここで鍵となるのが、「能力の把握」と「今、置かれている環境下でその能力をよりよく活かせるところを探し、当てはめる」ことの2つです。その際のポイントとしては、「好き嫌い」を抜きに考える、ということが挙げられます。
もちろん、人間に感情があることを否定するものではありませんが、仕事において、「自分が持っている能力」と「他人が持っている能力」のどちらも、「成果を出すための貴重な資源(リソース)」だとみなさなくてはなりません。人間が自分1人の力でできることなど、そんなに多くはないからです。
「この仕事は好きじゃない」とか、「あの人は言い方がぶっきらぼうだから話したくない」といった些細な理由で、自分の中の選択肢から排除してしまうのは、あまりに惜しい気がします。万一、それを避けることによって、本当は「自分自身の可能性の芽をつぶしているのかもしれない」のだとしたら、あなたはどう思いますか?
どのような環境で仕事をしていようとも、必ずウマの合わない人は出てきますし、たいていの仕事は自分で選ぶことができないでしょう。ですから、ここは逆転の発想が必要です。つまり「これさえあれば」という「ないものに目を向ける」のではなく、「今あるものは何なのか?」に着目することが大切だということです。
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