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北朝鮮の核を世界が容認? 「情報操作」の裏でいま何が起こっているのか=斎藤満

トランプ大統領とネオコンの対立構造

そこで2つ目の問題は、米国でのトランプ大統領とネオコン(軍産複合体)との違いがどうでるか、です。トランプ大統領はもともと軍産複合体支配を崩したいと考えていました。ところが、次第にネオコン・軍産にとりこまれ、半ば軍事政権のような形になってしまいました。ネオコンの影響力が強まっていますが、トランプ大統領ゆえに彼らの思い通りにいかない可能性もあります。

つまり、トランプ大統領の「アメリカ第一主義」を貫けば、朝鮮半島にカネをかけずに、米軍を引き揚げ、当事者に任せる可能性があります。この場合は北の核保有を前提とした中露韓の支配圏となります。しかし、ネオコンがこれを許さなければ、米軍がどこかで力ずくで北の核排除に動く可能性も排除できません。それでも北がミサイル発射を自粛すれば、ピョンチャン五輪前の軍事介入の可能性は後退しました。

日韓の「核武装論」を高める恐れも

ネオコンが手を出さず、中露韓の連携で北の脅威が解決されると、次の問題が生じます。北の核が容認される形となるので、南北朝鮮が統一されればともかく、南北併存の場合、韓国にも核武装の機運が高まり、これは日本にも波及します。つまり、日韓の核武装論を高める可能性があります。日本が原発を続ける理由の1つに、核保有の思惑があると言われます。

また、北の脅威が後退すると、自民党の求心力が低下する可能性があり、米国も北の脅威で武器を日本に買わせるインセンティブが低下します。米国は北に代わる脅威を日本や韓国に与える必要がありますが、冷戦相手の中国がこれに利用される可能性はあります。米国第一とはいっても、中露に日韓がくっついて連携すれば、米国は警戒せざるを得なくなります。

Next: 半島情勢は新局面へ。中露韓と北の対話がカギに

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