エル・ティー・エス<6560>
もう1つは、今話題のRPA(ロボティックス・プロセス・オートメーション)。ロボットによる業務自動化の取り組みのことだ。バックオフィスのホワイトカラーの業務代行が注目され始めている。
もっとも、基本は3つある。
- 物理的:工場などのロボット
- 対人:小売や金融などのフロント対面ロボット
- 事務処理:いわゆる今のRPAの中核
先日、エル・ティー・エス<6560>の椛島社長に伺った話も興味深かった。「導入してみたものの最適化することに苦慮している企業は多いです」。
誰もがデジタルシフトと働き方改革の方向の中でIT化は推進している。メガバンクのように多額のコストをかければ問題はないのだろう。しかし局所的処理が重なるケースが多いという。
となると、システムそのものの負担も増加。あるいはシステムがバラバラになってかえって使い勝手が悪いことも生じるという。システムの導入よりは、むしろ企業の人材を研修することの方がはるかに効果的というケースも多いとの話。だからこその過去最高の業績。いろいろな側面から物事を見ることが必要だ。
因みに同社の最新のレポートは「RPAの躍進から見る日本企業のIT課題」。
RPAはシステム化に比べれば迅速性やコストの低さという観点からは便利なツールです。
一方で人がデスクトップ上で行っている作業を自動化するツールという特性上、セキュリティや内部統制、プロセス管理の観点からは(少なくとも今のところは)情報システムと比較すると脆弱な仕組みであることも事実です。
またRPAはあくまでも現行の仕事のやり方を局所的に自動化するものに過ぎず、業務の抜本的な見直しには向かないツールです。
ですから当初からRPA活用を前提としてしまうと、無駄な業務や属人化された業務、非効率な仕事の進め方が見過ごされてしまう危険性も内包しています。
状況が許す限りはシステム化を含めた抜本的なプロセスの在り方の検討を優先し、その上でシステム化対象から漏れる箇所にしっかり統制を効かせながらRPAを活用するというのが原則だと考えます。
社内でどれだけのロボットが動いているか把握できない、もともとの作成担当者がわからないことなどを「野良ロボット」と呼ぶ感覚はかなり面白い。
『「兜町カタリスト」』(2018年3月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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