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ビットコインの次に来る、ブロックチェーン×不動産のヤバい未来=高島康司

業界全体で発展を目指す:国際ブロックチェーン不動産協会(IBREA)

公式サイト:https://www.ibrea.network/

ブロックチェーンの不動産への適用では、業界団体が存在する。ブロックチェーンの分野では、ICOで資金を集めるスタートアップがほとんどなので、個別の企業の利益には左右されない業界団体が存在していることは大変に珍しい。不動産の分野は、仮想通貨の次にブロックチェーンの適用が早かったので、こうした業界団体が設立される程度に成熟しているのだろう。

国際ブロックチェーン不動産協会は、ブロックチェーンのエンジニアや不動産の専門家が終結し、ブロックチェーンを不動産に適用するためのアイデアを共有し、発展させるための組織だ。

協会のメンバーに登録した企業や個人は、世界各地でブロックチェーンの不動産の適用をテーマにしたセミナーやワークショップの開催を申請できる。協会は2013年に設立され、すでに世界40カ所でセミナーなどのイベントを開催している。

組織の運営は、スポンサーからの寄付を主な収入源として賄われているようだ。このサイトでは、不動産分野におけるブロックチェーン適用の最新情報を入手できる。グーグルのクロームなどのブラウザーを使うと、ワンクリックで比較的に読める日本語に翻訳してくれるので、ぜひ一度アクセスしてみるとよいだろう。不動産におけるブロックチェーン適用の動向がよく見えてくる。

ここは企業ではないので、投資対象にはならない。また、残念ながら日本支部も存在しない。

賃貸も便利に:レントベリー(Rentberry)

公式サイト:https://ico.rentberry.com/
紹介ビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=n-KhWQMcRk4(※すでにICOは終了)
トークンの相場:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/rentberry/

レントベリーは賃貸物件の仲介業者である。すでに全世界5000都市で20万件の物件を登録している。最近ここはブロックチェーンの導入を決定し、サービスの提供を始めた。提供されるサービスは、賃貸の仲介だけではなく、テナントによる設備のメインタナンスのリクエスト、テナントと家主や地主のスクリーニング、配管工のような必要となるサービスの手配、そしてオークションのシステムだ。

なかでも特に興味深いのはスクリーニングのシステムだ。テナントは過去の家賃の支払い履歴、立ち退きの履歴、クレジットカードの信用状態や、そのほかの公共的にアクセス可能な情報を用いて信用度が査定される。また同じスクリーニングは家主に関しても行われる。このようなスクリーニングのシステムがあることで、テナントと家主は相互の信頼に基づく取引が可能になる。

また、レントベリーのブロックチェーンが提供するオークションのサービスもユニークだ。ここでは家主や地主が物件の詳細を掲載し、それをテナントが競り落とすシステムになっている。このシステムのお陰でテナントは、複数の物件を一度に比較しながら、自分の条件に合った物件を競り落とすことが可能になる。オークションに参加したテナントには、1000ベリートークンが支払われる。ベリートークンとは、レントベリーのブロックチェーンで流通する仮想通貨のことだ。テナントに与えられたベリートークンは、事務手数料など必要となる雑費の支払いに充当できる。

仲介業者なしで売買可能:アトラント(Atlant)

公式サイト:https://atlant.io/jp/(日本語対応)
紹介ビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=SuD_XHoX8-8
トークンの相場:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/atlant/

アトラントは2016年に設立された新興企業だ。アトラントのブロックチェーンのプラットフォームは賃貸のP2Pシステムと所有権のトークン化という2つのサービスを提供している。

賃貸のP2Pシステムとは、テナントと家主が不動産会社のような第三者の介入なしで、テナントが家主に直接家賃を支払い、また問題が起こったら話し合いで直接解決するためのシステムだ。

しかし、アトラントのプラットフォームが際立っているのは、不動産の所有権のトークン化のコンセプトである。所有権の権利が確認された不動産の価値はトークン化される。このような方式のメリットは、ひとつの不動産を多くの人々で分割所有できることである。

もちろんこうした所有形態は投資目的だが、そうすることでこれまで大きな不動産物件に固定されていた投資を、多くの物件に分散投資しやすくなる。これは大きなメリットだ。

アトラントは、イーサリアムのスマートコントラクトのブロックチェーンを使っている。また会社の設立には、BNPパリバやHSBCなどの大手投資銀行の幹部クラスだった人物が複数参加している。2018年4月からサービスの一部が本格的に稼働している。

アトラントの目標は高い。今後は各国の政府と協力し、全世界の200兆ドルを越える不動産取引の5%を取り込むつもりだ。

Next: まだまだある、成長が期待できる不動産関連のプロジェクト

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