「政策金利は上がらない」との見方が強まっている
しかし、日銀が結果として長短金利操作付き量的・質的緩和といういろいろな合わせ技で金融緩和策を講じても、物価はいっこうに上がらず、短期金利はマイナスとなっている。これがいつまで続くのか、検討がつかなくなっているのが現状である。
そうなると現在の日銀がそう簡単に政策金利を引き上げることはできないとの認識も強まる。
将来の金利上昇の可能性はあるかもしれないが、低い変動金利で借りていても問題はないのではとの認識も働いて、再び変動金利型が増えてきているのではなかろうか。
「ローンの借り換え」が増加
日経新聞はもう1つの要因として、ローンの借り換えが増えていることも指摘している。
ローンの借り換えとなれば期間はさほど長くはなく、金利上昇リスクは低いとの認識とみられる。
どっちを選ぶかは日銀次第
それでは現状、住宅ローンは固定で借りた方が良いのか、変動で借りた方が良いのか。
これは日銀次第ということになる。いまの日銀が行っている金融政策は、長短金利操作付き量的・質的緩和であり、主な変動金利に影響を与える短期金利と、主な固定金利に影響を与える長期金利の両方を操作しているのが日銀である。
いったい日銀はこの政策をいつまで続けるのか。それは政治の問題とも絡んでくることもあり、かなり不透明感も強い。
現状は多少の微調整はあっても、金利を大きく引き上げることはできないとの見方も強い。それでも10年、20年先の金利まで見通せるわけではなく、将来的な金利上昇リスクを考慮すれば、固定の方が安心ではある。