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没落する日本経済にジム・ロジャーズが警告「被害者になる若者は世界に逃げろ」=俣野成敏

昇進できずに終わる多くの中間層

ことはこれだけにとどまりません。高度成長期との大きな違いは他にもあります。たとえば、企業内での昇進スピードです。今の40代のサラリーマンは、20~30年前の同年代と比較して、中間管理職になっている人が半分くらいしかいません。なぜかと言うと、その前の世代が社内に大量にいるためにポストに空きがなく、上が詰まってしまっているからです。

企業はバブル経済だった80年代から90年代の始めまで、社員を大量に採用していたので、この年代の人たちが企業内のボリュームゾーンになっています。ということは、必然的にその下の人たちにはポストがない、ということです。

最近は成果主義などを導入している企業もあるでしょうが、ポストがない以上、昇級もできません。昇級できなければ、マネジメントを経験する機会もない、ということになります。

中小企業が抱える深刻な後継者不足

大企業ではこのような状況ですが、反対に中小企業では、経営者の後継者不足が深刻な問題になっています。彼らは後継者が喉から手が出るほど欲しいのに、上記の通り、日本社会全体でマネジメント経験のある人材が圧倒的に不足しているため、跡を継いでくれる人が見つからずに、黒字であってもやむなく会社をクローズしているところが跡を絶ちません。

一例を挙げると、岡野工業株式会社という会社は、「痛くない注射針」を開発したことで有名な中小企業です。彼らは従来のパイプを細くする製法から、板金を巻いてつくる逆転の発想で、蚊の針と同等の細さを実現しました。それが後継者不在により、岡野社長が85歳になる2018年に廃業することが決まっています。中小企業庁の調査では、2016年に廃業した企業のうち、経営者が60歳以上だった割合は82.4%で過去最高を更新した、ということです。

以上のように、現在の日本社会は大きな矛盾をはらんでいます。「多くの中小企業で後継者を育成する仕組みがない」「優秀な人材がきても活かせない」等々。大企業と中小企業とで、完全なミスマッチが起きています。

これは、もはや単純な後継者不足というだけでなく、人口問題とも密接な関係がある、と言えるのではないでしょうか。ですから、ただ単に移民さえ受け入れれば問題は解決する、ということではないのです。

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