Maas(マース)とは?
さて、展示された電動化・コネクティッド・自動運転技術を活用したMaaS(マース)専用次世代EV「e-Palette Concept」についてです。
なんだかややこしい表現ですが、また新しい言葉が出てきました。「Maas」は「マース」と読むそうで、「Mobility as a Service」という英語の省略形となっています。
このような表現はIT業界から来ているもので、「クラウド」と呼ばれる、インターネットに接続することを前提としたサービスを表すものです。
「クラウド」によるサービスには、パッケージ製品の提供ではなくインターネットを通じてソフトウェアを利用するサービス(SaaS:サース)や、グーグルやマイクロソフトに代表される、様々なアプリケーションが稼働するために必要なハードウェアやOSなどのプラットフォーム一式をインターネット経由で顧客に提供するサービス(PaaS:パース)や、グーグルやアマゾンのようにシステムが稼働するのに必要なネットワークインフラなどをインターネットを通じたサービスとして顧客に提供するサービス(IaaS:アイアース)があり、その流れで「Maas:マース」はあります。
つまり、「Maas」という表現は、このIT業界の「SaaS」「PaaS」「IaaS」の流れからきた表現です。
「MaaS」というのは交通インフラ上に「移動」をサービスとして提供することで、交通インフラとは、たとえば、道路、そしてその上を走るハードウェア(ここではクルマや車両という区別は必要ありません)、そしてそれらを制御するITシステムになります。
これらのプラットフォームを活用してサービスを提供するのが「モビリティ・アズ・ア・サービス」であり、「MaaS」なのです。
次世代電気自動車「e-Palette Concept」とは?
さて、家電見本市で展示された次世代EV(電気自動車)「e-Palette Concept」に話を戻します。
「e-Palette Concept」は、4〜7m前後の全長を想定したEV。低床・箱型のバリアフリーデザインによるフラットかつ広大な空間に、ライドシェアリング仕様、ホテル仕様、リテールショップ仕様といったサービスパートナーの用途に応じた設備を搭載します。
これを読んでも、まだ「もや〜」とした感じでしょうか。
とにかく大きな「箱」が移動するイメージで、その「箱」は、自動運転の電気自動車です。箱の中は完全な空洞で広い空間になっています。
あるときは多数の座席を準備して、人の移動手段として使います。高齢者の病院への送迎、運転免許証を返上した高齢者集落から買い物にみんなを連れていく移動手段になります。
あるときはフル装備のキッチン設備を完備し、注文を受けてから移動中に調理してご自宅などに料理を届ける移動キッチンになります。
宿泊施設を兼ね備えた移動ホテル、医療設備を完備した往診車などなど。
そして、その運行順路はAIが管理します。最適な行程を指示してくれて、事故のない走行をAIが管理してくれます。