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消費税を上げて年金を配る愚ろかさ。自力で生きるしかない時代が来る=矢口新

(2)老後に頼る年金制度は、少子高齢化でも国の補助で安心?

これはおかしい。何故なら、現状の年金制度は少なくとも黒字で、支給額を減額し続ける限り(社会保障の意味はほとんど成さないとはいえ)黒字であり続けることができる。

一方の国は大幅な赤字で、国の借金はGDP比236%と世界でも突出して高い。

赤字の政府が黒字の年金を補助するとすれば、増税によって民間から財源を確保する必要がある。

民間から吸い上げて民間に渡すことに、何の意味があるのだろうか?あるとすれば、「どこから取る」ことを決める政治家の権限が強まることぐらいだろう。
※参考:債務残高の国際比較(対GDP比)※PDFファイル

(3)財政赤字は増税で解消?

国の借金約1,300兆円は嘘だという人がいる。私はその発言の内容を知らないが、その嘘だというのは本当だろうか?

財務省の資料では過去20年近くの赤字は毎年40兆円規模で、赤字は借金で賄われているとしている。これだけで800兆円の借金となる。
※参考:国の支出と収入はどのように推移している?

そしてそれ以前から、少なくとも資料で確認できる40年以上も前から、日本の財政は赤字なので、国の借金約1300兆円というのは真実である可能性が高い

2017年度の法人申告所得総額は前年度比11.5%増の70兆7,677億円と、8年連続の上昇で、記録が残る1967年度以降、初めて70兆円を超え、過去最高となった。一方で、申告法人税額は16年度比11%増の12兆4,730億円と、ピーク時1989年度の18兆6,412億円に大きく及ばなかった。

法人税率が引き下げられているためだ。申告件数は289万6,000件。そのうち黒字申告の割合は1ポイント増の34.2%で、7年連続の上昇となった。

これで分かる大事なことは2つある。

1つは、法人所得が過去最高でも、法人税収はピークの3分の2でしかないことだ。これは、1989年度の消費税導入時に、法人税率の引き下げが始まったので、企業の税負担が減ったことを意味している。

もう1つは、過去最大の収益は企業全体の約3分の1の企業だけで上げていることだ。残りの3分の2は赤字なのだ。しかも、「黒字申告の割合は1ポイント増」とあるように、これでも改善してきている。赤字企業は、一時は7割を超えていた。そして、こうした赤字企業の急増は、1989年度の消費税導入時に始まったのだ。

その理由は、消費税が売上に掛ける税金だからだ。一方の法人税は利益に掛ける税金だ。つまり、消費税は事業を行うことに逐一課税するもので、法人税はその成果だけに課税する。以下に述べるように、消費税導入で企業経営が苦しくなったのだ。

日本経済の縮小は「消費税」が原因

消費税導入前は、消費者が1万円使えば、企業の売上は1万円だった。ところが、消費税3%では実質9,700円に、5%では実質9,500円に、8%では実質9,200円になった。2019年10月からは実質9,000円に、売上が減少する。売上が減少すれば、コスト削減が始まり、人件費、研究開発費、設備投資などが削られる。

それでも消費者が1万1,000円以上使ってくれれば、実質売上は同じだが、1997年に消費増税率を5%に引き上げてからは経済そのものが縮小に向かい、消費者が使える金額も減っていった。これでは日本企業の国際競争力が激減するのも納得だ。

日本の税収のピークは1990年度の60.1兆円だ。つまり、消費税導入の一時的な効果で、税収増となったに過ぎない。

実は、その時でさえ財政は赤字だった。以降は、法人税を含む所得税が減ったことで、税収は平均約50兆円で推移、ボトムはリーマンショック後の38.7兆円だった。この間も歳出は増え続け、近年は約100兆円規模で推移している。これでは政府の借金が増える一方のはずだ。

過去30年の延長線上で考えるなら(2019年10月の消費税率10%への引き上げは、全く同じ流れ)、日本の財政赤字が解消する見込みはゼロだと断言できる。

日銀黒田総裁は「消費増税の経済への悪影響はないと思われる」と発言したが、同氏の発言はデータに基づくものではなく、常に「マインドに訴えかける」ものだ。こう言うことで、「消費増税の経済への悪影響がなくなる」と本気で(?)信じているのだろう。

Next: アメリカも日本も、私たちの生活を守ってはくれない

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