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南鳥島に眠る大量のレアアースで日本は勝てるか?世界生産量8割を占める中国の焦り

南鳥島EEZ内海底泥にレアアース発見

日本にとって朗報となるのでしょうか。

日本最東端に位置する南鳥島(東京都小笠原村)の排他的経済水域(EEZ)内の海底の泥に含まれるレアアース(希土類)の埋蔵量は従来推定の2倍強で、世界需要の数百年分に及ぶことが東京大などの調査で分かったと、2018年4月10日、東京大学などが英科学誌に発表しています。

報道によれば、島南方の1,000平方キロの範囲に国内需要の230年分に当たる680万トンが存在すると推定していたとあります。

深さ5,700メートル前後の25地点で掘削した海底下の試料を初めて詳しく分析した結果、15種のレアアースが計1,600万トン存在することを突き止めたとあります。

元素別の埋蔵量は…医療用レーザーなどに使うイットリウムが世界生産量の780年分、電気自動車のモーターに使う強力な永久磁石に欠かせないジスプロシウムは730年分、次世代記録素子の材料となるユウロピウムは620年分、プリンターの印字ヘッドに必要なテルビウムは420年分です。

先端技術に使われる重要な元素が豊富に存在することが分かったそうです。

この数字は排他的経済水域(EEZ)内のことで、1,000平方キロメートルの広さの海底だと、国内需要の悠に300年分が眠っていると推定されるそうです。量も豊富ですが、高濃度であることも注目されています。

現在中国が採掘しているレアアース濃度は300ppm程度ですが、南鳥島沖の濃度は6,600ppmのところもあり、中国産の20倍という圧倒的な高濃度だと、このレアアースの存在を突き止めた東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授は語っています。

日本の国産資源になる

日本の排他的経済水域(EEZ)にあるものは、まちがいなく国産資源です。いかなる他国にも、領有権を主張される心配はありません。

南鳥島のレアアースは海底面にごく近いところにあり、船の上からサブボトム・プロファイラーという音波探査により、レアアース泥の分布状況が簡単に把握できるそうです。

さらに海洋のレアアースには、開発の障害になる放射性物質のトリウムがほとんど含まれていないそうです。陸上で採掘されるレアアースは陸上のマグマ活動によって生成され、必ずトリウムを伴ってしまう宿命を背負っているそうで、トリウムがほとんど含まれていないことが、今回の発見では非常に重要な点だと加藤教授は指摘しています。

「産業のビタミン」と呼ばれるレアアース17種の中でも特に重要な重レアアースであるジスプロシウム、テルビウム、ユウロピウム、イットリウムに、軽レアアースのネオジムを加えた5元素が、南鳥島沖のレアアース泥に、高濃度に含有しているのだそうです。

Next: 中国が日本産レアアースに警戒

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