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リーマン危機から10年、膨らみ続ける世界の借金の先に見える崩壊の危機=吉田繁治

2009年からは、株価と不動産の価格をバブル的に上げてきた時代

・米国の証券化商品の下落が、直接に影響した欧州のECB、
・中国の輸出経済をひっぱる対米・対欧の輸出が、急減した中国の人民銀行、
・そして、適用を間違えたクルーグマンの「流動性の罠」論を採用して、インフレ目標をとったアベノミクスの日銀も、FRBに時間をおきながら合計で18兆ドル(2,000兆円)の通貨をふやしてきました。

世界のGDPの85%を占める主要国の中央銀行の銀行に対する増発マネーが元になって、銀行の貸付金をその約4倍は増やして、リーマン危機のあと半年後からは株価を、2012年からは不動産を上げてきたのです。

【日本】
2015年には、2011年に対して50%の円安になり、円安になるとドル高の為替利益が増える輸出と海外生産が多い東証1部の株価指数(日経平均とTOPIX)は米国並みに3倍に上がっても(2015年)、不動産の価格があがらなかった例外は、年0.4%(50万人)の人口減の日本だけです。

人口減は、必要な住宅の総面積を減らし、人口増が続く東京圏以外では、空き家を大きく増やしているからです。

<負債バブルが、金融的商品の高騰を生んでいる>

2010年ころからの9年間、われわれは世界の総マネー量がバブル的に増えてきた時期のただなかにいます。経済に対して過剰なマネー量が、株価を高い水準に上げています。

21世紀は、通貨、生産コスト、賃金の低い国でのグローバル生産の進展により、
(1)主要国での消費者物価の上昇率が低いため、
(2)主要国の、高くとも3%という低い名目GDPの成長を超える通貨量の過剰(マネー量×流通速度)が、原理的にもたらすインフレが、
(3)消費財から金融的な資産(不動産・株式・国債・債券など)に移ったことが見えにくいだけです。

フィッシャーの交換方程式(M<(マネーサプライの増加)×V(預金の回転率)=P(物価)×T(実質GDP)>は、金融的な資産の領域で働いています。

名目GDPは、消費される商品だけの「生産=需要=所得」です。消費者物価の上昇は、消費財だけを対象にしています。不動産・株式・国債・債券などの多種の金融的資産は、GDPの物価上昇、需要額、所得額には含まれていません。

ところが、2010年代からはとりわけ、これらの金融的な資産にマネーが向かっています。2019年もそのただなかにあります。

「中央銀行+銀行」が借り手に対し増やしたマネーが向かうのは、時代を超え、価格が上がると人々から期待される対象物であることに違いがない。人類の5000年の歴史の普遍原理でしょう。

〔通貨発行の増加→貸し付けの増加→負債の増加→資産価格高騰〕マクロ経済で合成していえば、「中央銀行+銀行」の通貨発行の増加は、借り手の「負債=預金」を増やします。その増えた負債マネーは、「多種の金融的資産」に向かって価格を上げます。価格が上がった金融的資産は、「借り入れの担保になって→借り手の負債能力を増やし→借り入れを増えていき→投資されて→金融的資産の価格を一層上げる」という螺旋階段状の上昇にはいってバブルを作ります。

以上のマネー現象が、金額の大きな順にいえば、
(1)ゼロ金利から2%台の低い金利の、国債価格の上昇(金利は下落)
(2)シラー10年PERが、30倍というバブル株価、
(3)人口減の日本を除く、世界の不動産の高騰です。

これらの価格の上昇は、投資家(金融機関、企業、世帯)の負債の増加によって生じたものです。マネー量増加の根源には、順にいうとFRB、ECB、人民銀行、日銀による合計2,200兆円の通貨量(マネタリーベース)の増加があります。その増加が、銀行の貸しを増やし、投資家の借り入れが増えて、金融的資産への買いを大きくしているのです。

【金融資産=金融負債の原理】
問題は「金融資産=他の人の金融負債」であるため、ゼロから3%以内の低い金利のなかで金融負債が増え続けて、2018年末では250兆ドル(2京7,500兆円:国際金融協会)になっていることです。

Next: 負債の増加による資産バブルは、今後どうになっていく?

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