セブンイレブンの社長退任騒動と同じ
この問題をみていますと、セブンイレブンの鈴木氏の退任騒動と、似たような印象を受けます。
「プロ経営者」瀬戸氏側には、株主の海外ファンドなどがついています。セブンイレブンのときも「プロ経営者」を存続させろという声が強まり、鈴木氏の退任となりました。
しかし、その後、セブンイレブンはどうでしょう? 明らかにファミリーマートの方が、創意工夫や勢いがありますね。
鈴木氏の「新しいものが出てこない」という社長への厳しい見解は、やはり正しかったのではないでしょうか。
プロ経営者の目線は任期中だけ?
同じように、LIXILグループも「プロ経営者」が率いると、しばらくの間は良くても、企業の競争力の面で問題が生じる可能性があります。
「プロ経営者」は、長期の競争力アップやダントツを目指すという姿勢ではなく、この先の2~3年ぐらい数字が良いということを求められるからです。
しかし、それではライバル社との長期の競争に勝つことはできません。
もっと、「天才的な才能」が必要なのです。
欧米企業の標準経営が優れていると言っても、同じことを日本企業がやったとしても、せいぜい同じレベルまでです。それより上がありません。
そういう意味では、「高い買い物」であっても、イタリア企業を傘下に入れ、欧州のデザイン力という破格の可能性を手に入れた潮田氏の方が、欧米にも勝てるLIXILをつくりあげる可能性は高かったでしょう。