GDPが正確でない理由を突き詰めるべき
一連の統計不正は、役人が勝手にしでかしていることなのか。はたまた人事権を握られているがゆえに、妙な忖度が働いて、時の為政者にとって都合のいい数字を改ざん・ねつ造するのがひとつのプロセスマネジメントとして確立してしまっているからなのでしょうか?
この部分だけをとってみても、まともな仕組みにいっさい戻そうとしない安倍政権に、相当悪辣なものを感じる次第です。
平成が始まった頃はまだここまで酷いことはなかったのではないかと思いますが、我々が気づかなかっただけで、昔からこんな状態だったのでしょうか?
いつの間にかこんな酷い国になってしまったことに、さすがに驚きを隠せない状況です。
原因はわかりきっている
GDPの振れが大きくなるのは、全体の6割以上を構成している個人消費にもっとも近い家計調査のやり方が原因であることは明白で、サンプルの偏りをどう修正するかなど様々な課題をしっかり解決すれば、なんの問題もなくGDPを算出することができるようになるはずです。
本来ありもしない成果を無理やり数字上に織り込もうとしても、結果として数字は改善したりしないわけで、これはGDPに関わっている人間なら多かれ少なかれ感づいている話ではないかと思います。
黒田総裁は安倍政権の手下でも日銀は独立した存在?
黒田総裁はこうしたゆゆしき状況について、いったいどう思っているのでしょうか?
自らも財政諮問会議でデータの入れ替えを要求したりして安倍政権寄りの発言をしてきているわけですから、日銀がGDPを算出しなおすということについていったいどう思っているのか、お聞きしてみたいぐらいです。
毎回書いていますように、実は統計の正確な発表というのは、金融市場における投資には非常に大きな影響を与えることになります。
そしてなにより、適当な数字が出てくることは国の信用を大きく棄損することになるわけですから、放置しておいていい問題では全くありません。
GDPを算出する者、またそれを分析するものが毅然とした態度をとれないというのは、かなり根本的な問題ですが、そうした意見を黒田総裁は口にしないのでしょうか?
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