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高島屋、中国撤退の大誤算。なぜシンガポールでの大成功を活かせなかったのか=児島康孝

「シンガポール高島屋」の利益を脅かした?

上海 高島屋」のここ数年の売上は、総額ベースで60億円から70億円、純額ベースで30億円というわけですが、毎年15億円前後以上の経常赤字・当期赤字が続いています。

対して、1994年にシンガポールのオーチャード通りにオープンして25年間続く「シンガポール高島屋」は、当初は苦戦したものの、その後は高収益の百貨店です。

東南アジア各国からシンガポールへは、まるでちょっと買い物という感じで、いわば「国内感覚」で富裕層が買い物に来ますし、観光客も買い物をします。

このため、「シンガポール高島屋」は極めて収益力が高い店舗となっています。

「シンガポール高島屋」は、
2019年2月期:年商(売上高)181億円
経常利益:40億円(40億8600万円)
当期利益(純利益):33億円(33億1000万円)
となっています。

次の決算となる、2020年2月期の高島屋の計画でも、
経常利益:25億円(25億6500万円)
当期利益(純利益):21億円(21億2800万円)
と、堅調な業績を見込んでいます。

このように好調な「シンガポール高島屋」ですが、「上海 高島屋」の数字をみてわかりますように、このまま「上海 高島屋」を放置すると「シンガポール高島屋」の利益を食いつぶしかねません

今回の「上海 高島屋」の撤退には、このような事情があったわけです。

高島屋全体と、ベトナム、タイ出店の状況は…

高島屋の2019年2月期決算(連結)は、
売上高:9128億円(9,128億4,800万円)+0.6%
経常利益:312億円(312億3,400万円)ー19.1%
当期利益:164億円(164億4,300万円)ー30.5%
です。

この高島屋全体の数字は「上海 高島屋」撤退の発表以前のものですが、当期利益が164億円の水準ですから、「上海 高島屋」の撤退でどうにかなることはありません

また、2016年に出店したベトナム高島屋(ホーチミン)、2018年11月出店のサイアム高島屋(タイ・バンコク)の状況はどうでしょうか。

<ベトナム高島屋(ホーチミン)2019年2月期>

売上高:17億円(17億7,800万円) 
経常損益:赤字9,200万円
当期損益:赤字9,400万円

<サイアム高島屋(タイ)2019年2月期>

売上高:3億円(3億1,800万円)
経常損益:赤字4億円(ー4億8,400万円)
当期損益:赤字4億円(ー4億9,100万円)
となっています。

こちらのベトナム(ホーチミン)とタイ(サイアム)の出店は、初期投資の範囲内ということでしょう。とくにサイアム(タイ)は、まだオープンから1年経っていません。ですから、数ヶ月の数字になります。

Next: 東南アジアと中国はまったく違う。上海撤退はダメージとなるか?

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