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損しない実家の売却時期は?特別控除や特例を使いこなす方法=小櫃麻衣

「3,000万円の特別控除」を受ける条件とは?

それでは、その一定要件とはどんなものなのか、説明していきましょう。

1つ目は、昭和56年5月31日以前に建築された自宅であること。

2つ目は、区分所有建物登記がされている建物ではないこと。
例えば、二世帯住宅で親世帯と子世帯がそれぞれ別に登記していないなどです。

3つ目は、相続開始直前において、死亡した方以外に住んでいた人がいなかったこと。

相続人が子どもたちだけになる二次相続時に、その子どもたち全員が親と別居しているというケースでは、この措置が活躍することになるでしょう。

ちなみにこの措置は、令和元年12月31日までに限定されているものですので、この間に相続が発生した場合に限り、適用させることができるということですね。

期間が限定されているということは、期間内に相続が発生しなければ3,000万円の特別控除は使えないというわけです。

しかし、この措置のほかにも実家売却時の税負担を軽減させられる魅力的な制度があります。

これまでも当メルマガで何度か解説しているので、すでにお気付きの方も多いかと思いますが、一体どういった制度なのでしょうか。

「小規模宅地の特例」が使える

その制度とは、小規模宅地の特例。

小規模宅地の特例とは、死亡した方が所有する自宅の土地部分の評価額を330平方メートルまで80%減額できる制度です。

この特例は、死亡した方の配偶者や同居する相続人が自宅を相続する際に用いられることが多いのですが、条件を満たせば同居していない相続人が相続する場合であっても、8割引きを使うことができるようになりました。

通称「家なき子特例」と呼ばれているものです。

家なき子特例の適用要件の代表的なものは、
1. 死亡した方に配偶者や同居する親族がいないこと
2. 相続開始3年以内に持ち家に住んでいないこと
3. 相続税の申告期限までその自宅を保有していること
などです。

こういった条件を満たすことができれば、小規模宅地の特例により8割引きを適用させることができるのです。

平成30年の改正によって、この3つの条件のほかにも付け加えられたものがあるのですが、最低限この3つの条件は満たす必要があると覚えておきましょう。

持ち家に住んでいないというのがネックになるかもしれませんが、転勤族で賃貸暮らしをしている、社宅に住んでいるというケースではこの特例を適用させることができます。

最近は、結婚を機に家を買うという方が減少傾向にあるようなので、みなさんが思っている以上に、該当する方がいらっしゃるかもしれません。

Next: 実家を売却するタイミング、いつがベスト?

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