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リアルタイムの買い物情報で投資判断?「オルタナティブ・データ分析」が新たな潮流に=山田健彦

やはり「人」がキーか?

AIは資産運用の世界でも活躍し、そう遠くない将来に金融業界から人は駆逐されてしまうかも、と言われています。

構造的な収益性低下に直面し続けている金融業界は、今までコア業務ではない部分にIT技術を利用しコスト削減を行ってきました。約定報告を郵送からWeb確認に切り替えたり、レポートやセミナーをオンラインで提供したり、自然言語分析を使い代表的な質問に機械が答える、監督官庁や顧客への定期的な報告書を作成する等です。

資産運用業界での人が介する業務の代表は投資アドバイス業務ですが、米国ではこの分野の完全無人化を試みロボ・アドバイザーを導入した会社もありました。これはリスク資産に投資する投資家の裾野を広げた功績もありましたが、同時にわかったことは、人はやはり、人によるサービスを好むということでした。

マーケットが急変したときの不安や将来の引退計画の悩みなどの相談相手としては、ロボットでは物足りない、という投資家が特に富裕層に多かった、とのことです。

その経験を経て、米国の主要投資ロボ・アドバイザー会社では、人によるアドバイスも混ぜたハイブリッド型にシフトしているそうです。

AIが弾き出すデータに基づき、顧客の不安心理を解消してあげたり、資産運用に関する知識レベルをデータから推測し、相手の知識レベルに応じた言葉で説明できるような「人」が求められているそうです。「人にしか提供できない業務こそが付加価値の源泉」とのこと。

つまり、AIと最も相性が良いと思われている業界でも「人を完全に機械に置き換える」のは無理で「機械は人を補助する」という戦略が業務の効率面からも顧客の感情面からも支持される、ということです。

Next: 投資分析の新たな潮流とされる「オルタナティブ・データ分析」とは?

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