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宮迫・田村亮会見から見えた吉本興業の深い闇。2009年の上場廃止から怪しかった=今市太郎

コンプライアンスリスク回避が大きな目的だったのか?

この不思議な非上場化。最初は何の意味があるのかとかなりいぶかし気に見ることとなったわけですが、2011年8月当時、人気絶頂にあった島田紳助氏が暴力団関係者との黒い交際で問題になって引退に追い込まれたときに、ああこういうことだったのかということに気づかされることになります。

上場企業のままであればこうした問題が発覚すれば株価は大きく下落し、下手をすれば企業としてのコンプライアンスやガバナンスを問われて経営危機に陥りかねない状況だったわけです。

しかし非上場にしたおかげでまんまとリスクをすり抜けることができており、上場企業なら受けたかもしれない株主代表訴訟などに直面することもなく、今日まで生き延びているわけです。

その間、暴力団との関係が絶ち切れているわけでもなく、子飼いの芸人は闇営業をしても結局、見て見ぬふりをしていただけなのではないかと疑われても仕方がない状況です。

所属芸人との書面契約などが進むわけもない状況が延々と継続中であることが垣間見られます。

田村亮氏の会見での発言がきわめて興味深い

今回の宮迫・田村亮氏の会見での発言が、どこまで本当なのかという問題は依然として残るわけですが、会見を聴いていて非常に興味深かったのが、田村亮氏が吉本サイドから「うちは在京キー局5社、在阪キー局5社が株主だから大丈夫だ」と言われたと発言したことです。

実際に株主を調べてみると
フジ:12.13%
NTV:8.09%
TBS:8.09%
テレビ朝日:8.09%
BM総研(ソフトバンクの完全子会社):6.07%
テレビ東京:4.04%
電通:4.04%
朝日放送:2.51%
と、32社の大株主はほとんど吉本と利害関係を同じくするところばかりです。

無理して非上場にしてこうした関係企業だけを株主としていれば、ほとぼりが冷めればまたやっていけるという甘い見方が成立するのもうなずける状況というわけです。

Next: 「会見したら全員連帯でクビ」の真意とは?/吉本と安倍政権の関係も…

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