全体相場が不透明な中で個別銘柄にも調整、見送りムードが漂う状況となっている。一方で、IPO市場には好需給の下で短期資金が入りやすい傾向にあるようだ。。(『億の近道』炎のファンドマネージャー)
小学生から証券会社に出入りし、株式投資に目覚める。大学入学資金を株式の利益で確保し、大学も証券論のゼミに入る。証券会社に入社後は一貫した調査畑で、アナリストとして活動。独立系の投資運用会社でのファンドマネージャーの経験も合わせ持つ。2002年同志社大学・証券アナリスト講座講師を務めたほか、株式漫画の監修や、ドラマ『風のガーデン』(脚本:倉本聰)の株式取引場面の監修を行う。
8月までに44社が上場。直近のIPO銘柄研究はAI関連が有望か
なかなか当たらないIPOだが、セカンダリーもやり方次第
全体相場が不透明な中で個別銘柄にも調整、見送りムードが漂う状況が見られる。一方で何かでリターンを得たいとリスクマネーは虎視眈々と中小型株に触手を伸ばしている。
その中でもIPO市場には好需給の下で短期資金が入りやすい。
自ずと株価の変動も激しくなるが、タイミング次第では大きなリターンも得やすいとの判断から研究の余地はある。
今年は既に8月の創薬ベンチャーのステムリム<4599>まで44のIPO銘柄が登場した。
なかなか当たらない公開株に運よく当たっても株数は限られ、また当たったと喜んでも初値が公開価格を割り込んだり、大した上昇にならなかったりと悲喜こもごものIPO銘柄動向かと思うが、できるだけ工夫してIPO銘柄に挑戦してはいかがだろう。
ところで、今年の8月までの44銘柄という数は昨年よりもペースが鈍いように感じられる。やはり全体相場の停滞が影響しているのだろう。
9月26日のHPCシステムズまでは50社のIPOとなるが、残り10-12月においては30から35社程度のIPOが見込まれることから今年のIPOは80から85社となると予想される。
IPO銘柄投資の基本は初値買い、その後の安値買い、その後の高値での売却がうまく実行できればリターンの恩恵に浴することができる。
銘柄は基本的にはIT系、ネット系新サービス、AI関連、人材サービス系、コンサル系などが対象となるが、これらは多くがIPO時に過剰な人気を集めやすく、IPO時の高値を抜けないケースもある。
反対にIPO時に不人気でも後から企業価値が認識されて評価を高める場合もあり、投資作戦も一筋縄にはいかない。
IPO後に調整を入れた銘柄も時に大きな株価の上昇を見る場合もあり、IPO後の1年から2年間での株価の行方に注目をしておく必要がある。短期的には事業内容次第で大きく居所が変わるケースもあるが、株高は忘れた頃にやってくるということもあって、それぞれの銘柄のビジネス内容、成長性への認識を持って投資タイミングを伺うスタンスが理想だと筆者は考える。
直近のIPO市場はしばしのお休み状態が続いてきたが、9月はネット系のサイバーバズ<7069>やchatwork<4448>を含む6銘柄のIPOが予定されている。全体相場が停滞を余儀なくされる中で個人投資家のリスクマネーがIPO銘柄に押し寄せるのかどうかは予断は許さないが、関心の高まりが予想される。
筆者は直近になって過去のIPO銘柄を吟味する機会があった。
とりわけコード番号7000番台の注目銘柄をピックアップすることができた(詳細は有料メルマガにてご購読下さい)。
ソフトバンクGの孫社長が掲げるAI群戦略と同様に「億の近道」でもミニAI群戦略でこれからの運用を考える時にAI関連のIPO銘柄に絞った投資作戦は有効だと判断するが、皆様のお考えはいかがでしょうか。
問題はどこまでこうしたAI関連企業が業績を伸ばしていけるかにかかっている。
image by : glen photo / Shutterstock.com
『億の近道』(2019年8月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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