サンマの価格が依然として高め。2年前の不漁時には約5割高で、今年も似た雰囲気です。とはいえサンマは「物価の優等生」。サバやマグロはどうでしょうか。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2019年10月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
景気悪化は当然? 低インフレでも身近なモノは着々と値上がり
サンマが高い
サンマの価格が依然として高め。先日読んだ記事には、10月の漁獲高に繋がる太平洋沖の産卵量は多めなので、サンマの漁獲高は今後増えるともありましたが、果たして。
サンマは消費者物価指数(CPI)の構成品目として長年のデータがあります。
総務省統計局によりますと、CPIに占めるサンマの構成比率は0.05%。サンマが値上がりしてもデフレ脱却とは行かないようです。
また、2015年を100とする今のCPIにて、サンマの価格指数は直近100前後を行ったり来たり。
2年前の不漁時には、指数は一時147.7まで上昇していました。約5割高です。今年も似た雰囲気です。
ちなみに、この50年で最もサンマの価格指数が低かったのは1972(昭和48)年。同年11月の価格指数は26.3でした。今の4分の1です。その前後、1970年代前半の価格指数は概ね50前後でしたが、その後は現値に近いところまで上昇しています。
マグロやサバの価格変動はさらに激しい
そうは言っても、サンマは魚の中では「価格の優等生」、値上がりが緩やかな方です。
1970年頃の価格指数をみると、サバは15くらい。今の7分の1の価格です。
同じように、他の魚をみると、マグロやブリ、タイなどの価格指数が30から40前後と高めです。これらの魚が当時から「高級魚」と言われていた所以が指数からでも確認できます。
そして、1970年代のCPI総合指数は30台でした。「高級魚」の価格は案外CPIの推移そのもの、そんな見方も一見すると可能です。
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