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株式投資で手間暇かけず大きく儲けるなら、テクニカルよりもファンダメタルズ分析=山本潤

危険な材料株投資

テクニカル分析では、出来高、流動性があって値動きがよいものが結果として「よい銘柄」ということになります。しかし、流動性に富む大型株のほとんどは値動きが非常に悪いのです。

そこで流動性が非常に高くて値動きが激しい「材料株(材料などの思惑で動く株)」というものに人気が集中してしまいます。てっとりばやくすぐに利益が出せると思うからです。

本質的には材料株は、もともと企業の実態としては小さな会社で流動性に乏しいのです。しかし、ほんの数日から数ヶ月の間だけは、異常に出来高が増加して相場を盛り上げるのです。もともと流動性が低い材料株に一気に資金が流入すると株価が一時的に急騰します。その上昇を見て、割高だと感じるファンダメンタルズ分析の人たちや逆ばりを得意するテクニカル分析の人たちが空売りで市場に参加してきます。

一方で、順ばりの人たちは、なにが割高か、なにが割安かという尺度で株価を見ていません。「よく動いているから買う」、「上がったので買ってみた」という単純な理由で参加しているのです。そういう株は、大変な割高になってしまい、ついには急落して終わりになります。

出来高が増加している期間は短いのですが、いざ、自分がトレードしていると、いざとなったらいつでも逃げられる気になるのです。自分だけは特別と思い込んでしまうのです。

そして、材料株がその役割を終え、大量の資金が、今度は流出することで、大きな損失を被ってしまうのです。

短信を読んで投資判断ができるようになれば、このような悲劇に巻き込まれることはないのです。

割高なものを平気で買う人が個人投資家には多いのですが、短信を読むことで、株価が割高とはどういうことかがわかり、割高な企業への投資を避けることができるのです。

将来の株価を当てるために過去の株価を使うというのがテクニカル手法の特徴です。これは野球の勝率を占うのに過去の勝率を当てにするということと基本的には同じです。

過去、勝率が高いチームは、今後も強いチームではないかと考えるのです。なるほど、一見、理に適った手法のように見えます。しかし、今日勝ったからといって、明日勝つとは限りません。今日と明日では、自チームの投げるピッチャーも違えば、他チームの投げるピッチャーも違うからです。

あまりにも不甲斐なく負けてしまったとき、2通りの考え方ができます。

「これほど大敗したのだから、明日は奮起してくれるだろう」と考える逆ばり的な考え。あるいは、「こんなに調子が悪いのだから、簡単には調子を取り戻せないだろう」という順ばり的な発想。結果は、このどちらかですね。

このように順ばりか逆ばりかを決めなければならない投資手法はいたずらに混乱を招くだけです。

Next: ファンダメンタルズ分析なら、決算発表の3ヶ月に1度チェックするだけ

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