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業績が成長しているのに株が売られるのはなぜ?株価を動かす「収益モメンタム」の正体=山本潤

株を買うタイミングは、モメンタムが改善傾向にあるかどうか

モメンタムが改善傾向にあるかどうか、これが株の買いのタイミングなのです。

いくつかのパターンに分かれます。

買いのタイミング:
(1)過去の赤字から未来の黒字への転換時(=今期黒字化予想)
(2)減益から増益への転換時(=前期減益で今期増益予想)
(3)増益率の改善時(今期の予想増益率が前期の増益率よりも高い)
(4)減益率の改善時(今期の予想減益率が前期の減益率よりも低い)
(5)依然として赤字ではあるが赤字額の大幅縮小時

これらの5つのパターンは買いの典型的なパターンでありタイミングです。非常に重要な事柄ですから、是非、身につけてください。

増益か減益かという視点で株の売買タイミングを計ることはできません。増益率がどう変化したかで売買のタイミングを計るべきなのです。

増益率がどの程度改善しているか、その度合いが重要なのは言うまでもありません。

たとえば、前期が5%の増益率で今期は6%の増益率であれば、建前上、モメンタムは改善したといえるかもしれませんが、そのような小さな変化のケースで、モメンタムを論じることはまずありません。20%を超えるような増益率の変化や大幅な赤字がかなり縮小するといった大きな変化ならば、株価へのインパクトがあろうというものです。

5つの買いパターンに当てはまるからといって、その度合いが小さいものは意味も小さく、株価の動きも限定的になります。大きく儲けようと思うのであれば、大きな変化に注目するのが筋です。

売りのタイミングは、買いのタイミングのまったく逆を考えればよいのです。

売りのタイミング:
(1)前期黒字から今期赤字への転落
(2)増益から減益への転換
(3)増益率の鈍化
(4)減益率の悪化

これらのパターンは売りとなります。

ファンダメンタルズ分析といえば、業績予想をいかに上手にするかという技術だと考えている人が多いと思います。確かに、業績予想はファンダ分析の重要な一分野です。

しかし、業績予想よりも、業績のフェーズというか、業績のトレンドを把握することの方が株式投資には重要なのです。「業績がどんな方向を向いて動いているか」ということを業績動向といいます。業績動向、あるいは、収益動向は、トレンドです。減益から増益への転換、あるいはその逆。あるいは、増益基調、または減益基調なのか。業績の方向性が株価の方向性を決めるといっても過言ではありません。

Next: 業績の変化に対して、株価はどのように動くのか?

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