株価の変動に影響を与えるとして注目を集めるROE
ROEとは、投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げられるのかという指標です。
ROEは次の計算式で表すことができます。
ROE=当期純利益÷自己資本=EPS(一株当たり利益)÷BPS(一株当たり純資産)
つまり、海外からは日本企業は利益を上げられないと低評価されているということです。
日本株は一般にアメリカ株やシンガポール株など外国株と比べると配当も少ないです。日本企業が資産を有効活用させて、利益を上げて、株主に対して配当を多くするなど、価値を投資家に還元させない限りはこの問題は解消されないでしょう。
アクティブファンドでは、企業調査によって組み入れ銘柄を選別します。ゾンビ企業が話題になっていますが、日本にはゾンビ企業がたくさん生存しています。
ゾンビ企業とは、長い間、利益が出せず、本来なら経営破綻しているはずなのにカネ余りを背景に銀行融資によって生き残っている企業のことです。
日本の低生産性企業の存続率は2010年を起点としてみて、5年後でも約半数近くが残っているのに対して、アメリカの上場企業の低生産性企業の存続率は30%程度に留まります。
※参考:第3章 「Society 5.0」に向けた行動変化 第3節‐内閣府
ゾンビ企業が市場から退出して、新しい企業に入れ替わりをしない限り、日本に活力は出ないでしょう。利益を十分に上げられる会社でないと、投資家への配当や従業員への十分な給与を出せないからです。
アクティブ運用は買い一辺倒ではないファンドも
アクティブ運用の中では、ロングショートを採用しているファンドもあります。ロングショートとは、ロングは買い、ショートは売りを意味します。割安と評価する株を買う一方で、割高と判断される株を信用取引等で売り建てる投資手法です。
ヘッジファンドの代表的運用手法の一つで、公募の投資信託の中にも運用方針として採用されているものもあります。同一業種の割安株・割高株をペアにし、買いと売りの比重をどちらかに傾けて適用することが多いです。
株式相場の上げ下げに左右されずに、絶対リターンを追求し、下落相場でも小幅なリターンを積み上げていく手法です。ただし、買いの銘柄が下がって、売りの銘柄が値上がりすると、両方で損失が出て裏目の結果になるリスクもあります。
ロングショートを応用したマーケットニュートラル(市場中立型)という運用手法もあります。ファンドの設計のなかで投資目的および投資方針などという形で投資対象や運用の方針などが書かれています。
ファンドの設計の時点で買い一辺倒のファンドであればショートをすることはできないので注意が必要です。
そこで、今回はシンガポールのファンドマネージャーやプライベートバンカーなどに聞いたオススメの日本株アクティブファンドをご紹介しましょう。
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