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新規上場した天気予報サイト運営のALiNKは、成長を加速する新サービスを生み出せるか

思考実験──片づけるべき用事とは

『ジョブ理論』によれば、以下の問いに答えることで用事をより具体化できるようになる、としています。

1.その人がなし遂げようとしている進歩は何か。求めている進歩の機能的、社会的、感情的側面はどのようなものか。

2.苦心している状況は何か。誰がいつどこで何をしているときか。

3.進歩をなし遂げるのを阻む障害物は何か。

4.不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか。ジョブを完全には片づけてくれない商品やサービスに頼っていないか。複数の商品を継ぎはぎして一時しのぎの解決策をつくっていないか。

5.その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のために引き換えにしてもいいと思うものは何か。

出典:『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』(第2章 プロダクトではなく、プログレス)

用事の特定

イノベーションを起こすための最初のステップは、ある状況下で顧客がなし遂げようとしている進歩を特定することです。そして、その進歩には機能的、感情的、社会的側面があり、どれが重視されるかは文脈によって異なってきます。また、用事を特定することにより、真の競合相手もみえてきます。では、同社の場合はどうなるのでしょうか。

今回は、同社が課題とする「新規ソリューションの提供」を取り上げます。同社はそれを次のように認識しています。なお、「上述の課題」とは、サービスの認知度向上、技術革新への対応、人材採用及び組織体制の整備、内部統制及びコンプライアンス強化のことを指します。

当社は、上述の課題に対し気象情報の一般消費者への提供だけでなく、気象情報と現実社会の連携を深めるための新規ソリューションの提供を検討しております。

ここで着目したいのは「気象情報と現実社会の連携」、具体的には、イベント当日の天気とイベントとの関係です。米山公啓氏は次のように指摘しています。

<イベント>
2週間前から天気を気にするオトコ
当日になって天気予報を見るオンナ

<先読みし過ぎる脳と先読みしない脳>
何かを計画し立案、実行するのは脳の中にある前頭前野と呼ばれるところで行われます。これは、人間の脳でもっとも進化した場所です。男性は常にここを目一杯に使おうとして先読みをします。2週間先のイベントであっても「当日の天気はどうかな?」と気になったりするのです。

こういった状況でイベントに参加しようする男女がなし遂げようとする進歩の機能的側面は「イベント会場に移動する」ということ。感情的側面として、男性はまず「不安の軽減」がきます。続いて、男女とも「娯楽」「非日常」、社会的側面として「人とのつながり」といったことを重視するでしょう。いずれにしても、先読みする男性の脳は、広告収入を主な収益源とする同社に収益拡大の機会をもたらしてくれる可能性があります。

なお、同社は「競合サービス」を次のように認識しています。

当社は、インターネット市場の中の、気象や生活情報を用いたBtoC向けメディアを主たる事業領域としておりますが、昨今、気象情報を用いたソリューションやビックデータ解析は世界的に注目されており、参入企業が増加する傾向にあります。天気予報専門サイトという特殊な分野ではあるものの、今後当社サービスが十分な差別化や機能向上等ができなかった場合や、さらなる新規参入により競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

Next: ALiNKインターネットがすべきは、顧客が求めるサービスの企画

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