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「緊急事態宣言」閣議決定。“思いつき”政権下での私権制限に拒否反応噴出も、枝野氏協力

政府が10日、「緊急事態宣言」を可能にする法案を国会に提出することをNHK日本経済新聞が報じた。世界的に流行している新型コロナウイルスの国内感染の拡大を防ぐため、政府がまとめている「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の改正案に盛り込まれるもので、衆参両院の審議を経て今週13日にも成立する見通しだ。

しかし、改正後に首相が緊急事態を宣言すれば、知事の権限で外出の自粛を求めたり、催しなどの開催制限、学校や福祉施設の使用制限を要請・指示したりできるようになる(朝日新聞)ため、国民からは私権が制限されることへの不安が噴出している。安倍首相自ら、緊急事態宣言に関し「国民の私権を制約する可能性もある」と述べている(共同通信)から尚更だ。

ネットでは、「国会で緊急事態宣言が通ったら、司法、立法、行政。全てが安倍晋三の思惑どおりになる」「見栄と虚勢と権勢欲に従っていくらでも言を左右し証拠を隠滅し一切の責任を取らない首相のもとでの緊急事態宣言。絶対にまずい」「緊急事態宣言の法律が良い法律かどうか、ということではなく、法律を守らない内閣だから、政府の権限を一ミリでも増やしちゃダメだ、ってみんな反対してるんですよ」などと、“信頼の置けぬ”安倍政権下で私権が制限されることへの拒否感や危機感を示す声が多い。

安倍首相が行なったイベントの自粛や一斉休校の要請が、専門家会議に相談なく発せられた法的・科学的根拠のないものであったことに対する批判も根強く、「思いつきで緊急事態宣言を出され、私権を制限されてはたまったものではない」という声や、「言論・集会の自由まで制限されるのではないか」という不安の声も上がっている。

しかし、立憲民主党の枝野幸男代表は自身のTwitterで次のように述べ「改正案により可能になる緊急事態宣言の私権制約は限定的だ」と、改正案の審議に協力する姿勢を示している。

枝野幸男議員Twitter(@edanoyukio0531)より引用

⑴新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正し新型コロナウイルス感染症を対象に含めようとしていることについて、新型インフルエンザ等対策特別措置法に「緊急事態」の規定があることから、ご心配をいただいています。

⑵まず、今回の政府与党から提起されている改正に「緊急事態」において政府のできること(権限)を変えるという内容は含まれていません。そこで現行法がどうなっているかという問題になります。そして、確かに「緊急事態」ではない平時よりも私権の制約が大きくなっています。

⑶しかし、罰則付きで強制できることは、医薬品等特定物資の保管・収用や、臨時医療施設設置のための土地収用に関わる命令・立ち入り検査に違反した場合のみです。収用の対象も医薬品等の特定物資か、臨時医療施設設置のための土地に限定されています。

⑷一般の国民の皆さんに関係しうるのは、みだりに外出しないという「要請」にとどまります。学校や興行場その他の多数の者が利用する施設の管理者に対しては制限・停止の「指示」が可能ですが、罰則による強制力はありません。現状でも、「自粛要請」という形でなされていることです。

⑸上記も施設に対する指示であって、デモや集会そのものを規制できる規定はありません。電気・ガス・水道と運送業についての「適切な措置」は定めていますが、報道や放送、ましてや表現に関しての規制はありません。
繰り返しますが、これらの点についての改正は提案されていません。

⑹皆さん(もしかしたら総理も)「緊急事態」という言葉に振り回されていますが、それによって政府ができることになる私権制限は、分野によっては平時にもなされうる抑制的なものにとどまり、対象も明確で拡大解釈の余地はありません。

⑺こうした「緊急事態」宣言の法的効果についての説明もなく、「何かすごいことができるようになる」との印象を振りまくことは、色々な意味で避けたいと思います。(終)

これから国会で与野党の協議が行われるが、私権の制限が盛り込まれる以上、国民が納得できる、いや少なくとも国民の不安を払拭するだけの慎重な議論を重ねてもらいたい。

Next: 「緊急事態宣言」の是非に政治家・識者からも様々な見解

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