fbpx

なぜ日本の新型コロナ致死率は異常に高い? 臭覚・味覚異常が感染の兆候か=高島康司

若者の感染と重症化

そして、もうひとつ日本ではほとんど報道されていない事実に、年齢が比較的に若い世代の重症化がある。一般的な情報では、感染者の80%が無症状で、残りの20%のうち、60代後半以上の高齢者で、なおかつ糖尿病や心疾患、そして気管支疾患などの既往症がある患者が重症化しやすいとされている。したがって、50歳以下の比較的に年齢の低い世代は、感染しても重症化しないとされていた。

ところが、この傾向が変化していることが分かった。50歳以下の年齢層が重症化するケースが明らかに増えているようなのだ。これは大手メディアも報道している。「ニュースウィーク誌」などによると、以下のような傾向にまとめられる。

・入院を必要とする患者のなかで、50歳未満の成人がかなりの割合を占めていることが明らかになっている。

・ニュースメディアの「The Verge」のCDC(米疾病対策センター)に対する報告によると、アメリカで最初に新型コロナウイルスへの感染が確認され、入院が必要になった人のうち40%近くが20歳から54歳だったとしている。

・重症化した50歳未満の成人に関する情報と死亡者数が、ソーシャルメディアで広まっている。たとえば、中国の武漢では29歳の医療従事者2名が重症化した。

・「WHO」事務局長は若者たちに対して、新型コロナウイルスのパンデミックを軽視してはいけないと警告している。

・「WHO」によると、新型コロナウイルスは若者でも発症するし、死に至ることもあるという。そのため、発症しやすい人たちと接するのを避けるとともに、自らが感染源になってウイルスを弱者に広げないことが求められるとした。

・「CDC」のデータは、新型コロナウイルスによって死にいたるリスクが年齢とともに劇的に上昇するものの、若者も重症化するケースがあることを示している。

・50歳以下の年齢層でも、糖尿病などの慢性疾患を持つ人々もいる。新型コロナウイルスからの回復はより困難になる。

以上である。

このように、これまでの認識とは異なり、50歳以下の比較的に若い年齢層でも重症化するケースが出てきていることが明らかとなった。

特に、アメリカで新型コロナウイルスで入院した感染者のうち40%が、20歳から54歳の年齢層であったという事実は驚きだ。明らかに若い年齢層にも重症化のリスクが拡大している。

新しい変化

2月28日に配信したこのメルマガの第578回の記事で、新型コロナウイルス蔓延の新しい傾向として次の2点を指摘した。

1)感染者の若年化

これまで子供などの若年者は、新型コロナウイルスには罹りにくいと考えられてきた。また罹っても症状は軽度にとどまり、重症化するケースはほとんどなかった。しかしながら、武漢や上海では12歳以下の子供が罹患し、重症化するケースが見られるようになっている。

ウイルスの研究者は、この特徴の違いから見て、これは武漢で拡散した初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新しいタイプである可能性が大きいとしている。

2)肺炎を伴わない重症化

さらに注目すべきは、症状の大きな変化である。新型コロナウイルスは新型肺炎と呼ばれるように、肺炎を中心とする呼吸器疾患が主たる症状である。死亡するケースのほとんどは、肺炎の悪化である。

しかしやはり上海や武漢では、肺炎を伴わず、腎疾患や心疾患で突然死するケースが数多く報告されるようになった。死亡した患者には既往症もない人も多かった。

【関連】肺炎にならずに重症化?新型コロナウイルス「進化」の兆候と民族的に危険な日本人=高島康司

以上である。

いまはっきりしてきたのは、この記事が書かれた3月27日の時点で武漢や上海で見られていた(1)の傾向が、世界の他の地域でも見られるようになっているということである。50歳以下の比較的に年齢の低い層の重症化である。

では、2月の時点でやはり武漢や上海で見られていた(2)の変化はどうだろうか?

これから、日本を含めた中国以外の地域でもはっきりとしてくる可能性は高いように思う。

Next: こうした変化の原因はやはり新型コロナウイルスの進化である可能性は――

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー