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コロナ禍で「スーパーシティ」整備へ改正国家戦略特区法が可決、個人情報がダダ漏れに?=原彰宏

個人情報を官民が利用することへの不安

スーパーシティ構想は、縦割り行政によるそれぞれの複数の規制を、横断型で同時に実現しようというもので、複数分野の規制改革を同時に実現できるよう、スーパーシティ用の特別な手続きを整備するものです。

現行の国家戦略特区では、区域計画の決定と規制改革が別々のプロセスになっており、計画立案中に各省と個別に調整を行わなければならないのに対して、スーパーシティの事業計画は、案の段階で内閣府が仲立ちし、各省に必要な特例措置を求めていきます。

その内容を各省調整に先立って公表することで、各省の検討が一体的に進むようにするものですが、事業計画案については、事前に住民の合意を得ておくことが前提であるとしています。

例えば、自動車の自動運転、ドローンの遠隔操作または自動操縦と、これらに関連する電波利用などの実証実験については、関連4法(道路運送車両法、道路交通法、航空法、電波法)を一括で許可する制度を創設するというものです。

ただ広範囲に、個人情報は飛び交うことになります。

目指している方向性が問題なのではなく、そのためのプロセス、住民の賛同という問題と、個人情報の取り扱いが問われているようです。

主に、国家戦略特区改正案に反対しているグループの主張は、この「個人情報の取り扱い」に問題があるとしています。

スーパーシティ構想は、国や自治体が持っている個人情報や、民間企業が持つ行動履歴などの個人データを一元化して、様々な住民サービスに利用し、便利で快適な暮らしを実現しようというものです。

個人情報を、官民が利用し合うというものです。

それは、暮らしに直結するサービスに活用するため、地域の多くの住民の生活に大なり小なり影響を与えるものになります。

個人情報を自由に集めて使える特区?

NPO法人アジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子氏は、次のように問題点を挙げています。

例えば、配車アプリを介して、市民の自家用車を利用する「通院タクシー」を導入しようとする場合、国や自治体は、情報を一元管理する都市OSを管理する事業者から、高齢者の住む場所、健康状態、要介護度の情報などの提供を求められる可能性がある。

政府は「個人情報保護法令に従い、必要な場合は本人の同意が必要」と説明しているが、行政機関個人情報保護法には、公益に資するなど特別な理由がある場合、本人同意なしで提供できるとも定められている。どちらが優先されるのか。政府は国会で、自治体や事業者や国でつくる区域会議が「判断する」と答弁したが、あいまいだ。

個人が特定されないマスデータとして処理されるとしても、生体認証やプロファイリングなどに対する市民の懸念が高まるなか、人権という観点から法案が精査されたとは思えない。米国のサンフランシスコ市では、行政が町に監視カメラを導入することを禁止する条例も可決されている。

出典:与党急ぐスーパーシティ法案 規制緩和だけではない問題(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース(2020年5月21日配信)

としています。

この観点から見れば、「スーパーシティ構想」とは、人工知能(AI)などを活用した最先端都市づくりのために個人情報を自由に集めて使える特区のことだと言い換えられそうです。

Next: 次世代インフラとか5G革命とか、第四次産業革命と言われるすべてにおいて――

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