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なぜ日本は世界から搾取されるのか。日本人が誇りとする「民度の高さ」が国を滅ぼす=鈴木傾城

正義であることもフェアであることも建前だけ

正義など成り立たないいくつかの国では、政治家も国民もフェアな精神など一片も持ち合わせていない。とにかく、「相手を買収する」「策略で動かす」のは当たり前だと考える。

何らかのコンテストや競技でも、審判や運営者にどれくらいの賄賂を送れるかで勝敗が決まる。つまり、策略や買収工作は個人的にも恒常的に行われている。それが国家運営にも反映されているのだ。

フェアであることや正義であることを、文字通りに受け止めているのは日本人くらいだ。

多くの国はフェアであることも正義であることも、単なる理想や建前だと割り切っていて、「理想と現実は違う」と思って行動している。「自分が勝つためには、買収でも何でもする」という感覚で動いている。

だから、国際政治の世界では策略から買収から盗聴からハニートラップまで、奇々怪々な裏工作が蔓延してしまっており、日本の政治家が次から次へと引っかかっている。

正義の国であるはずのアメリカでも状況は同じだ。

この国は、建前上では「正義だ、フェアだ」と叫んでいるが、裏では策略と工作で動いている。CIAやFBIなどの諜報組織がそれを受け持つ。「フェアであること、正義であること」は建前であったのだ。

日本人は「諜報組織」と言うと「ただ情報を集めてくる組織」のように思っているのだが実態はそうではない。情報を集めるというのは、業務のひとつに過ぎず、実際はその情報に基づいて、自分たちの国の都合の良いように工作するのが主たる仕事なのである。

中国はあからさまだ。国民全員が「国防動員法」によって工作活動に駆り出されていると言っても過言ではない。中国はそれこそ知的財産の侵害で成り立っている国であり、工作活動がなければ国が成り立たないレベルにある。日本だけは、スパイ防止法もなければ正式な諜報組織もない。

狼の群れの中に紛れ込んだ羊のように無防備

考えなければならないのは、日本はもう「妥協して合意を得る」「相手の意見も汲んで合意をまとめる」「自分が折れて話を進める」というやり方がまったく通用していないということを自覚すべきだということだ。

日本が外交的にまったく国際影響力がないのは、「日本など恫喝すれば折れる」「しつこく主張すればすぐに妥協する」と思われており、実際にそうだったからである。

しかも、相手の策略には無防備であり、政治家は次々と策略にはまっていく。すぐにハニートラップに引っかかり、すぐに買収され、恫喝に屈してしまう。他国にハメられた政治家も多い。

たとえば、元総理大臣の橋本龍太郎も中国のハニートラップに引っかかって中国にODA(政府開発援助)を決めている。政治家の女遊びのツケで国民の血税が中国に流れていくのだから、たまったものではない。

さらに、日本国内で相手国のスパイがうようよして好き勝手にスパイ活動をしている。日本の機密情報が、国家や企業から漏れ続けている。

それに対して、日本は「策略でも買収でも使って罠にはめる」という裏工作がまったくできないし、しようとも考えない。狼の群れの中に紛れ込んだ羊のように無防備だ。

Next: 日本はもはや国際社会から鎖国することはできないし、今後もさらに深く――

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