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愚策の尻拭いに使われる血税。「Go To」前倒し強行の補償は税金からの謎

明日7月22日から始まる「Go To キャンペーン」のひとつ、「Go To トラベル」。新型コロナウイルスの感染者が増加していることから、東京都を目的地とする旅行と都内に住む人の旅行、修学旅行を除く若者の団体、高齢者の団体を割り引きの対象から外すことが先日発表された。そこで問題となっていたのが、「キャンセル料の扱い」についてだ。

NHKによると、「赤羽国土交通大臣は旅行者がキャンセル料を支払わずにすむようにするとともに、旅行会社に損害が生じた場合は政府として補償することを明らかにした」という。当初は補償する考えはないとしていたが、割引を見込んで旅行を予約した人から補償を求める声が相次いだため今回の決断に至ったと見られる。

「税金から補償」になぜ?

赤羽国土交通相は21日、閣議後の記者会見で「GoToトラベル」事業の決定事項を発表した。読売新聞によると、政府がキャンセル料を補償する理由として「赤羽氏は会見で、『現場では、旅行会社が大変な状況の中、実損が生じ、キャンセル料を請求せざるを得ない状況があった。キャンセル料の取り扱いについて十分に周知できていなかった』と説明した」と伝えている。

またNHKの報道によると、対象となるのは「キャンペーンの開始日を公表した今月10日から東京を対象外とすることを表明した17日までの間に旅行を予約した人」としている。

割引を見込んで予約した人にキャンセル料を補償するのは、当然のこと。そして、旅行会社の損害を補償するのも当然のことである。しかし疑問に思うのは、なぜその補償を「税金」で賄うのかという点である。東京ではキャンペーン開始を発表する8日前の7月2日、107人の新規感染者が確認された。1日あたりの感染者数が100人を超えるのは緊急事態宣言下の5月2日ぶりだった。100人超えはその後も続き、キャンペーン開始を発表する前日には224人(9日時点で過去最多)、発表当日の7月10日には243人の感染者が確認されていた。そんななかでのキャンペーン開始日の発表。当然、国民からは「実施しても大丈夫なのか」「まだ実施すべきではない」などの意見が出た。それでも政府は頑なに実施の姿勢を崩さず、強行する姿勢を貫いたのだ。

見かねた小池都知事は「実施の時期や方法などは改めてよくお考えいただきたい」「東京都民は、不要不急の都外への外出はできるだけ控えていただきたい」と呼びかけた。そしてようやく16日、対象者を絞った「Go To トラベル」が赤羽国土交通相から発表されたのだ。国民のほとんどが「本当にいま実施しても良いのか」と疑問を抱いていたなかで強引に前倒しを決定し、感染拡大の危険性があると専門家から指摘されたらそのキャンセル費を血税で支払う。あまりの横暴ぶりに、ネット上では「政党助成金で補償されたらどうですか?」との批判の声も聞かれた。なぜいつまで経っても有効に税金を使えないのだろうか。

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