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「アベノアトシマツ不況」で日本はどうなる?国民を貫く五本の矢が経済破壊=今市太郎

第3の矢:人工値付け相場の暴落

当初は「3本の矢」といって、多角的な経済政策にするはずだったアベノミクス。

それも気がつけば、結局、日銀の国債購入と日本株のETFの大量購入だけが延々と実施され、確かに1989年のバブル相場の半値戻しまでは日経平均が回復することとなりました。

これによって上場企業は内部留保を大きく貯めることもできたため、コロナ禍の今になって思えば、無闇な上場企業破綻を回避することには役立ったといえそうです。

しかし、日銀のETF保有額は今年3月末段階で、すでに時価ベースで約31兆2,000億円にまで膨らんでおり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をも上回るレベルに達しています。

アベノミクスは残念ながら終焉したことがわかりましたが、この株の買い集め・買い支えはすでに計画経済における国有企業化政策と言えるレベルに近づいており、中国でさえこんなことはやらかしていないのが実情です。

日銀は人工値付け相場を維持するために、簡単に買い付けをやめるとは言えないところにあります。しかも、ここから株価が大きく下落した場合、その損失をどう処理するのかもかなり大きな問題になりそうです。

GDPが7年前に逆戻りしているわけですから、経済のバロメーターとなっている日経平均がこのまま不自然に上がることはありえないでしょう。このかなりでたらめな手法はどう終焉することになるのか、非常に気になるところです。

第4の矢:国会を開かず国民ネグレクト

米国FRBは、よくも悪くも日銀の真似をして、大量に市中から資産を購入することで相場の水準を守り抜くという無制限QEに踏み切っています。

またトランプ政権は、1929年の大恐慌後にルーズベルトが実施した「ニューディール政策」をはるかにこえるような規模で、減税から給付金の長期支給まで、すでにMMT理論を実践しはじめている状況です。

こちらもどれだけ景気回復を実現できることになるのかは不透明ですが、少なくとも、コロナ禍での経済の落ち込みをなんとか持ち上げようとして必死の状況であることは垣間見られます。

しかし国内政治では、内閣が必死で政策実現のために奔走しているでしょうか?

10兆円の予備費は設定されましたが、その後、臨時国会は開催されておらず、経済対策について議論すべき事柄がまったく国会で俎上に載っていないのが現実です。

Next: 誰がアベノアトシマツをする?「8月24日辞任説」まで出る始末

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