アメリカと歩調を合わせるしか道はない
さて、新総裁の下では経済、金融、外交政策がどのような方針となるかですが、すでに世界のブロック経済化、チャイナデカップリングの方向性は後戻りできない状況になっており、仮にアメリカで大統領がバイデンになっても(トランプ再選だと思っていますが)その大きな流れは変わりません。
安全保障の多くの部分をアメリカに依存している日本は、次の総理が誰になってもアメリカと歩調を合わせるしか道はないでしょう。そうすると、今よりも中国とは距離を置かざるを得ないという結論になります。
外交については独自外交の余地はかなり少ないのではないでしょうか。どのような立場に立つのか、ある程度明確な覚悟を決める必要があるのではないかと思います。
チャイナデカップリングの影響は結構大きいですが、今まで中国企業が取っていた中国以外でのシェアの一部を、日本企業が代替して獲得できるというチャンスはあります。これを活かせるかどうかは日本企業次第ですが。
アベノミクス継承は既定路線。税制がポイントに
金融政策については、「アベノミクス」を継承する以外にありません。
前述の通り異次元の金融緩和を行っており、この政策を急に方向転換することなどできるわけがありません。むしろコロナにより経済の悪化で、より金融緩和を進めざるを得ない状況でしょう。
財政政策についても同じくで、いきなり緊縮財政にするようなことは、今の経済状況下では無理でしょう。当面は大きな予算で財政支出を続けていく以外ありえないでしょう。
ポイントは税の方針です。その中でも消費税の扱いは注目されるところです。消費税の扱いとしては、以下の3つの方針が考えられます。
1. 現状維持
2. 将来的に消費税を増税する
3. 消費税減税を行い、景気対策とする
個人的には、今は(3)を行い経済のテコ入れを行うべきであると以前から主張しているのですが、与党内でのハードルはなかなか高いようです。
最近コロナ対策の財政出動で国の負債が増加しているので、将来的に消費税を再度上げるべきだという意見が出てきているのを懸念しています。
この「財政危機論」は財務省を中心にここ20年ずっと唱えられてきたものですが、その真偽を冷静に判断する必要があります。