情報リテラシーを磨く必要
情報銀行の普及をめざす企業にとってはいささか気になる数字がある。総務省が行った「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(2017年)によると、情報銀行やPDS(パーソナル・データ・ストア)を利用したいと考えている人は19.2%にとどまる。
利用に対して消極的な理由は「自らの責任範囲や負担が大きい」が最も多く、情報銀行を含め情報を管理する企業に対する信頼性も低いことが明らかになっている。
また、日本の企業にPDSや情報銀行を知っているか聞いたところ、「知らない(はじめて聞いた)」と答えた企業が6割を超えた。つまり情報銀行の企業の認知度はきわめて低いという結果になっている。
このように個人、企業ともに情報銀行に対する関心は低い。一方で、デジタル情報化社会からさらに一歩進んだIoT(アイオーティー)社会が現実のものとなりつつある。すべてのモノがインターネットでつながる社会では、情報=データの数は幾何級数的に増えていく。それがコンピュータに蓄積されビッグデータとなってAI(人工知能)によって分析され、新たなサービスの提供というかたちで人々の生活を大きく変えている。
まず、われわれは自分たちの個人情報がGAFAを中心とした巨大IT企業に収集・管理されているという事実を直視する必要がある。現実を知るということだ。そのうえで、個人情報の利用を許可するのかしないのかを自分で判断し、企業の情報管理や活用法を主導していく。情報銀行などの企業を使って情報の利活用の対価を得るという選択ももちろんありだ。
同時に、関連する企業に対してセキュリティー対策の向上やプライバシー保護の徹底をつねに促し、政府に対しては情報管理の透明性や情報公開を求めていく必要がある。
<初月無料購読ですぐ読める! 10月配信済みバックナンバー>
※2020年10月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- 情報銀行スタンバイ!(10/1)
※有料メルマガ『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』好評配信中!ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 楽天ペイ×Suica陣営独走の勢い!!(7/15)
- 利用金額の25%がポイントとしてもらえる、マイナポイントとは?(7/1)
- ニューノーマル時代のキャッシュレス(6/15)
- ポスト・コロナ時代にキャッシュレスはどう変容するのか?(6/1)
- コロナ騒動で一番得したのはあのカード!(5/15)
- 新型コロナ感染で笑うカード! 泣くカード!(5/1)
- 「出前ポイント」の大阪府~新しい取り組みをみせる自治体(4/15)
- ポイント還元事業の期間延長はあるのか?(4/1)
『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2020年10月1日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場
[月額880円(税込) 毎月1日・15日配信]
世の中すっかりカード社会になりましたが、知っているようで知らないのがクレジットカードの世界。とくにゴールドカードやプラチナカードなどの情報はベールに包まれたままですから、なかなかリーチできません。また、最近は電子マネーや共通ポイントも勢いがあり、それらが複雑に絡み合いますから、こちらの知識も必要になってきました。私は30年にわたってクレジットカードの動向をウォッチしてきました。その体験と知識を総動員して、このメルマガで読者の疑問、質問に答えていこうと思います。ポイントの三重取り、プラチナカード入会の近道、いま一番旬のカードを教えて、などカードに関する疑問にできるだけお答えします。