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脱ハンコで公文書偽造が容易に?菅総理「デジタル化推進」の黒い思惑=原彰宏

内閣官房はブラックボックスか

よくよく「縦割り」行政の中身を聞くと、またデジタル化推進の中身を聞くと、行政機関側のメリットばかりのような気がしてなりません。

行政の効率化が国民の手続きの利便性につながるというのでしょうが、マイナンバーカード普及のメリットが、医療情報共有による医療機関側の業務効率化にあるのと、同じような感じがしてきました。

健康保険証とマイナンバーカード、運転免許証とマイナンバーカードの一体化は、行政側のメリットについては山程に語れますが、私たち国民側のメリットはどれだけあるのでしょうか。

さて、官房組織は、このように省庁をまたいだ、とても縦割り行政ではできないことばかりが並べられています。

あくまでも印象の話ですが、打ち上げた花火の“片付け場所”のような感じもします。もう使わなくなったものを、今度いつ使うかわからないものをしまっておく倉庫のような感じもするのですが、それは言いすぎでしょうかね…。

本当は、ひとつひとつを丁寧に、どんな仕事をしていてどのような成果を出しているのかをチェックすべきなのでしょうが、なにせマスコミが、内閣官房に関しては一切取材も報道もしないので、そのあたりが不透明となっています。

ある意味「ブラックボックス」となっているようです。たくさん私たちの税金を注ぎ込んだようですけどね…。

誰のための「デジタル化」なのか

デジタル化というのはあくまでも手段のはずが、なぜ「デジタル庁」という目的になっているのか。一体デジタル化で何がしたいのか。その先に何があるのか…。あるジャーナリストの問いかけです。

「手段が目的化している」…このあたりに、デジタル化のポイントがあるように思えますね。

日本におけるコロナ感染の発端ともなった横浜港沖停泊の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客たちは、感染による接触困難状況において、日本ではなぜリモート診断ができないのかが不思議だったそうです。

リモート授業を推進しているにもかかわらず、生徒はプリントを学校に取りに行かなければならないそうです。

菅政権になっていち早くハンコを廃止する動きを見せましたが、このことについて早速、自民党ハンコ議連が噛み付いてきました。加藤官房長官は「実印は残す」という発言をしていましたね。この“脱ハンコ”に関する政権と自民党とのやり取りは、河野太郎行革担当大臣が自民党内で人気がないことの表れだと揶揄する声もあるようです。

まったく別の問題になりますが、菅政権で表面化した「二世・三世議員 vs 叩き上げ議員」という構図もあるようです。なんだかなぁ…です。

東京都では小池都知事が、今年度内に脱ハンコの動きをすすめることを発表しました。また上川法務大臣は、結婚・離婚手続きをハンコ不要にすると述べています。脱ハンコの動きが早いですね。

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