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温泉地のコンパニオン女性ら「セクハラごっこ」トレンド入りで生活窮地に

文春オンラインが10月27日に公開した記事「GoToトラベル「コンパニオン旅館 セクハラごっこプラン」を補助対象外に」が、ネット上で大きな波紋を呼んでいる。

記事のおおまかな内容は、各地にある温泉地の一部ホテル・旅館が提供する性的なコンパニオンサービスを含む宿泊プラン、いわゆる「コンパニオン宴会」とよばれるプランを、GoToトラベルキャンペーンの補助対象外にする方針を観光庁が固めたというもの。

そのなかで取り上げられ、大きな反響となっているのが、静岡県のとある温泉旅館が提供しているというタッチコンパニオンプランの「OLセクハラごっこ」のサービス内容を伝える、以下の謳い文句だ。

職場のコミュニケーションが足りないと思って女子社員を飲み会へ誘いお酌でもさせようならセクハラだと言われます。

ましてや、オシリでも撫でようものならセクハラでクビですよ、いやですねぇー!

その点、A(旅館名)のタッチコンパニオンプランの「OLセクハラごっこ」はまったく問題ありません。昭和の良き・懐かしい社員旅行の復活です。

出典:GoToトラベル「コンパニオン旅館 セクハラごっこプラン」を補助対象外に – 文春オンライン(2020年10月27日配信)

この内容が、まさに女性に対して差別的かつ侮蔑的であるということで、怒りの声が殺到。ついには「セクハラごっこ」「コンパニオン宴会」というワードが、トレンド入りする事態になった。

セクハラごっこ以外に「悪代官ごっこ」も

ある一定の年齢以上の男性以外は、ほとんど馴染みがないであろうコンパニオン宴会。

国内の団体旅行がメインだった昭和の時代、とりわけ社員旅行や地域の寄り合いや消防団などといった男だらけの旅行の場合、宴席にコンパニオンを呼んで……というのはよくある話だったようだ。

その後は海外旅行が当たり前になり、さらに旅行の形が団体から少人数や個人へと移行したことで国内の観光地、なかでも温泉地は冬の時代を迎えるが、それでもコンパニオン宴会の灯は消えず。それどころか、いま現在でも「ピンクコンパニオン」などのキーワードで検索すると、それらのパックプランを取りそろえた旅行代理店のサイトが多くヒットする。比較的団体での利用が多く、それでいて客単価も高いコンパニオン宴会は、時代の流れに対応できずに衰退する一部の温泉地にとっては、ある種の生命線といった一面もある。

そんなコンパニオン宴会だが、提供するホテルや旅館ごと、さらにプランによって様々な「〇〇〇コンパニオン」という名称があって、どういった違いがあるのかが分かりにくいが、一般的にはコスチュームの露出度やサービスの過激さに応じて「ノーマルコンパニオン」「ソフトコンパニオン」「ピンクコンパニオン」という風に大別される。そのうち、過激さがウリの「ピンクコンパニオン」のなかに、その派生名やコスチュームの違いとして「スーパーコンパニオン」「シースルーコンパニオン」「トップレスコンパニオン」「ランジェリーコンパニオン」「赤ふんコンパニオン」など様々な名称が存在する。

ちなみに、文春オンラインで取り上げられた「OLセクハラごっこ」だがタッチコンパニオンとあり、これも大雑把に分類すればピンクコンパニオンの一種とみられる。また当該プランに関して、サービス提供元である温泉旅館のサイトをチェックしてみると、「OLセクハラごっこ」のほかに「悪代官ごっこ」という趣向も用意されており、この2種類から希望のものを選べるようだ。

「悪代官ごっこ」だが、恐らくは和装で「よいではないか、よいではないか」「あ~れ~」的なものができるものと推測される。あまりにも前時代的すぎてもはや牧歌的イメージさえある「悪代官ごっこ」ではなく、いかにも炎上が起きそうな「OLセクハラごっこ」をあえて記事内でフィーチャーさせるところは、さすが文春といったところだろうか。

コンパニオン宴会にGoTo割引を適用すると…

実際にコンパニオン宴会を頼もうとする際、気になるのはその価格だと思うが、過激サービスの「ピンクコンパニオン」のプランはお高く、逆に「ノーマルコンパニオン」はリーズナブルな価格設定。また平日・休前日・休日かでも価格が異なるほか、コンパニオン1人当たりに何人の客なのかでも料金が変わる。

今回、文春オンラインで取り上げられていたタッチコンパニオンプランの「OLセクハラごっこ」だが、客1人にコンパニオンが1人付くプランで、平日の価格は48,500円。この価格で旅館での1泊2食、コンパニオン150分、飲み放題3時間の料金、さらに消費税と入湯税が含まれる。

これをGoToトラベルキャンペーンの割引に適用すると、助成額は1泊に付き20,000円が上限なので、この場合は20,000円。助成される金額の70%分が旅行代金の割引になるので、旅行代金は14,000円割引されて、実際に支払う額は34,500円。これにくわえて助成額の30%となる6,000円分のクーポンが付与される。

このように旅行代金の半額相当が助成されるGoToトラベルだが、その助成額は1泊に付き20,000円という上限があるため、1泊当たりの旅行代金が4万円を超えるあたりが、助成をフルに活用できて、それでいて旅費が高くなり過ぎないライン。そう考えると、この48,500円のプランはGoTo活用にはなかなか良さそうな価格帯といえるかもしれない。

ただし、コンパニオン宴会経験者たちの話によると、パックの時間内に酒宴が収まらず、延長を希望する客も多いとのこと。延長をするとコンパニオンさんも喜び、その後のサービスが良くなるというのは、経験者たちの共通認識のようで、なかにはコンパニオンと朝食を共にした猛者もいるとのこと。上記のプランの場合、延長料金は7,500円/30分かかるため、1時間分の延長でGoToトラベルの旅行代金割引分は吹っ飛ぶ計算となる。

GoToトラベルの対象外は当然の声

この令和の世に突如として浮上したコンパニオン宴会なるワードだが、反応として多かったのは「てっきり絶滅したと思ってた」というもの。

さらに、若き日にコンパニオン宴会を体験した、あるいはその様子を目撃して、何とも言えない感情を抱いたというツイートも。当時の肌感覚としても、相当異常なものであるというイメージがあったようだ。

いっぽうで、この手のコンパニオン宴会がGoToトラベルの対象外になることに関しては、賛成する声が大多数を占める形に。

GoToトラベル地域共通クーポンにしても、スナックやキャバレーの類は対象外となっていることを考えれば、そうなるのは仕方のない流れながれだろうか。しかしながら、そんなコンパニオン宴会によって命脈を保っている温泉地の人々や、コンパニオンという仕事を生業に生きる女性たちも存在するというのも、またひとつの事実である。

今回「セクハラごっこ」というパワーワードとともにコンパニオン宴会がクローズアップされてしまったことが、それらの人々にどのような影響が及ぼしてしまうのかは、いささか心配なところではある。

Next: パワハラごっこプランも需要あるのでは?

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