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印紙税自体は廃止せず?河野行改相「収入印紙」見直しに期待と落胆の声

河野行政改革相が行政手続きにおけるハンコの廃止に続いて、収入印紙の見直しも検討していると一部で報じられ、反響が広がっている。

報道によると、国に治める税や保険料などの手続きの利便性向上を図るため、河野規制改革担当相の直轄チームは各省庁への実態調査を開始したとのこと。

そのなかに「印紙を使っている理由」「印紙による納付を廃止した場合の支障」といった、収入印紙に関して問う内容があるという。このことから「ついに収入印紙にも大ナタが振るわれるのでは」との予測が駆け巡っているようだ。

そもそも収入印紙って何のためにあるの

領収書や契約書に貼付して印紙税を納付するための収入印紙だが、それもハンコ同様に廃止の方向か? 今回のそのような報道に対し、ネット上では多くの喜びの声があがっている。

まず多いのが、「そもそも収入印紙って何のためにあるの?」といった声。人によってはパスポートの申請時や、家電量販店などで高額な買い物をした時ぐらいなど、使用する機会があまりないということもあり、そういった層にとって収入印紙は「ほんと謎制度」で「無駄」なものとして映っているようだ。

その反面で、仕事などで収入印紙を頻繁に使うことがあるという人からは、とにかく手間がかかるという声が。200円の収入印紙ならコンビニでも売っているが、金額が大きい契約書などに必要な高額な収入印紙は、郵便局に行かないとなかなか入手できなかったりと、収入印紙の存在故に面倒な思いをした人は結構多いようだ。

また、銀行振込にした際には払わなくていいのに、紙の領収書には収入印紙が必要な点など、とにかく不公平なものだという意見も。領収書の話のみならず契約書に関しても、最近では印紙税削減が図れるということで、電子契約サービスへのニーズが高まるいっぽうで、紙の文書による契約が慣習的に多い業界では依然として印紙税負担が続いていたりと、とかく収入印紙というものが今の時代にはまったくそぐわないものになっているという指摘は多く見られた。

いっぽう収入印紙の存在を疎ましく思う人が大多数のなか、一部では「様式美として見るとけっこう好き」といった声も。ハンコ廃止の議論が盛り上がった際にも「行政手続き上のハンコは無駄だと思うけど、ハンコ自体は好き」といった声もあがっていたが、収入印紙に関しても同様の思いを持つ人は一定数存在するようだ。

印紙税自体は無くならない?

このように、諸手を挙げて賛成する人が多い収入印紙の見直し。ただ、ネット上の反応を見ると、収入印紙によって支払われる印紙税自体も廃止になると思っている人もいる模様。しかし、それに関してはかなり期待薄のようだ。

公明党の西田実仁税制調査会長が、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じた11月6日付の記事によると、西田氏も紙の契約書などにかかる「印紙税」について、抜本的に見直す考えを持っていることを明らかにしている。

そのなかで西田氏は印紙税について「旧態依然」としながらも、毎年3000億規模にのぼる国の貴重な財源であるため「単純に廃止はしない」と述べ、「デジタル時代の印紙税がどうあるべきか議論する」と語っている。今回の河野氏の報道とほぼタイミングを同じくして報道されたことも考えて、自公両党の間でそういう形で話が付いているものと考えられ、そうなると印紙税自体は無くならないとみて間違いなさそうだ。

さらにネット上では、今回の見直しは政府に対する各種許可申請など行政手数料の納付に使う収入印紙のみにとどまり、契約書や領収書などに貼る印紙税は当分なくならないのではという予測もあり、それに対して「ぬか喜びかよ」と嘆く声もあがっていた。

収入印紙に代わる方法の模索など、ひと口に見直しと言っても超えるべきハードルは結構多そうな今回の件。一部では「改革ごっこ」とも揶揄される河野行政改革相による改革への掛け声だが、本当に「ごっこ」で終わらないためにも、今後の推移をしっかりと見守っていきたいところだ。

Next: 舌先でペロッと舐めて収入印紙貼ってて…

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