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今夜の米雇用統計でさらに円安加速か。円売り「3つの要因」と有効なトレード戦略=ゆきママ

先月も「円安が止まらない。10円近く円安が進んだ」と書きましたが、今月もここ1ヶ月で10円近い円安・ドル高となっており、流れは継続しています。それでは、改めて円安の背景と現状、そして雇用統計の展望・トレード戦略について解説していきたいと思います。(ゆきママ)

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日本と海外の金融政策スタンスの差が明確に

前回の記事で、円売りについては以下の3つの理由が大きいとしましたが、最近は特に(3)が材料として目立っています。

1. 平時の円売りがなくなったことで、リスクオフ時に巻き戻しの円買いがなくなった
2. 原油価格高騰による資源国通貨高、日本に資源はないので自ずと円売りになる
3. 中央銀行の政策スタンスの違いにより金利差が拡大、円売り外貨買いの流れが加速

ウクライナ情勢によるリスク懸念は一巡、原油は高止まりですが一旦はピークアウトの兆しもあり、日本と海外の金融政策スタンスの違い、日本と海外の金利差からの円売りというのが強く意識されています。

ちなみに、昨日未明にはFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表され、0.50%の金利引き上げが発表されましたが、パウエルFRB議長が0.75%の利上げを否定したことや、中立金利が2〜3%であるとしたことでドルが急激に売られる場面がありました。

市場が織り込んでいた金利見通しより低いことが示されたことにより、短期金利(2年債利回り)を中心に米国の金利が急低下し、ドル安につながりました。

もっとも、一夜明けると今後もしつこいインフレが続くとの見通しから、再び一段の金利高が織り込まれることとなり、ドル買いが強まる流れとなっています。

やはり世界的には金利を引き上げ、バランスシート縮小といったQT(量的縮小)で金融政策を正常化し、パウエルFRB議長も「必要なら中立金利を上回る水準への利上げを排除しない」としています。

一方、日銀は引き続き粘り強く金融緩和を行い、黒田日銀総裁は「必要があれば躊躇なく追加金融緩和を行う」としていますから、金融政策の方向性は一目瞭然です。

このように、しばらくは日本と海外の政策スタンスが意識され、円安が続きやすいでしょう。

とりわけ、米国のインフレが継続する限り、FRB(米連邦準備制度理事会)によるさらなる利上げも意識されますから、米国のインフレ指標の結果なども頭に入れながらトレードを考えていきましょう。

Next: 気になる先行指標は?再びインフレと利上げを織り込み始めた市場

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