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中国ひとり勝ちを阻む3つの壁。コロナ発生源の調査開始、習近平失脚も=斎藤満

昨年10-12月期の中国GDPは前年比6.5%まで回復。2021年の世界経済予想では、IMFなど多くの機関が中国の成長率を8%前後に高まると予想しています。しかし、中国経済の独り勝ちは続かないでしょう。現在の中国には、順調な成長を阻む壁が少なくとも3つ立ちはだかっています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

【関連】2021年は米中共倒れで経済に大変革。元証券会社社長・澤田聖陽の5大予想

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年1月20日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

中国の成長を阻む「3つの壁」

昨年10-12月期の中国GDP(国内総生産)は前年比6.5%まで回復、2020年全体では主要国の中では例外的に2.3%のプラス成長となりました。

しかも、昨年4-6月以降、限界的(前期比年率)には年率2桁の高成長が続いています。コロナの感染拡大をいち早く克服し、医療衛生用品などの輸出が好調で、製造部門が成長をけん引しています。

このため、2021年の世界経済予想では、IMFなど多くの機関が中国の成長率を8%前後に高まると予想しています。

しかし、前回のメルマガでバイデン政権との厳しい関係を紹介しましたが、そのもとで現在の中国には順調な成長を阻む壁が少なくとも3つ、立ちはだかっています。それは以下です。

1. 中国の巨大債務の壁
2. 「中国コロナ」疑惑と批判
3. 習近平体制の不安定さ

第1の壁:債務膨張と効率の悪化

まず第1に、共産党政権でも、債務の問題が制約になり始めたことです。

実際、政府からの支援が期待される国有企業で、社債の債務不履行(デフォルト)が多発しています。昨年の国有企業のデフォルトは77社に上り、前年の4倍に急増しています。

国有企業だからと言って、政府がすべて救済してくれるわけではないことがわかり、市場に不安が広がりつつあります。

市場に不安が広がると、長期金利が上がります。中国の債務は全体でGDPの3倍に上り、民間債務だけでもGDPの2倍を大きく超え、バブル期の日本並みの債務を抱えています。金利が上がればそれだけ利払い負担も大きくなり、それがまた債務を増やす悪循環になります。

日本はこの債務を抱えたまま、バブル崩壊に直面し、バランスシート不況に陥り、その後長期間苦しみました。

新興国では債務の増加がそのまま需要増、GDP増につながりますが、中国ではすでに債務残高がGDPの3倍以上にあり、債務の増加がGDP増に寄与する効果はすでに小さくなっています。

反面、債務の返済負担、金利負担が経済を圧迫します。日本のようにここで資産価格が下落すると、「失われた20年」の再現ともなりかねません。中国の債務膨張は明暗の「暗」の部分が表に出やすくなってきました。

Next: 噴出する中国批判。コロナ・ビジネスでの成長に陰りか

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