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「2〜3年は欠品続く」薬剤師が悲鳴。ジェネリック医薬品を推して医療危機を招いた政府の罪=原彰宏

あらゆる製品が「供給不足」に

産業界においては、コロナ禍において供給不足が頻繁に見られます。材木不足で家が建たない、半導体不足でパソコンが作れない・納車ができない、材料不足で製品化手前でストップしている製品が続出しています。

さらには、気候変動による食料品不足もあります。中国の旺盛な胃袋による豚肉不足という側面もありますけどね。

これらは、まあ今すぐに供給できなくても、命には別状なく、食料でも代替可能ではありますが、こと薬となると、我慢とか代替品という話ではないですよね。

この薬品供給不足のときに大阪での薬品倉庫が火事になり、保管されていた薬品が消失したとのことです。

そのことが、ジェネリックだけでなく先発品も品薄状態になったというのです。

なぜジェネリック医薬品が供給不足になっているのか?

そもそも「ジェネリック医薬品」とは、先発製品の特許が切れたあとに製造できるもので、研究開発費や特許料がかからない分、安いコストで製造できる薬のことです。

医療費削減において、国はジェネリック医薬品使用を推進しています。

実は、2020年9月までに後発医薬品使用割合80%を達成するという政府目標を踏まえ、さらなる後発医薬品の使用を促進するために、薬局における後発医薬品調剤体制加算については、「後発医薬品調剤体制加算1(後発品置換率75%以上)」が3点引き下げ(18点→15点)、「後発医薬品調剤体制加算3(後発品置換率85%以上)」が2点引き上げ(26点→28点)られました。

薬局としては、ジェネリック医薬品を処方すれば儲かるという仕組みになっているのです。

さらに、後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定というものもあるのです。その減算基準が、「いわゆる後発医薬品減算」の対象範囲が、後発医薬品の調剤数量割合20%以下の薬局から、40%以下の薬局に拡大されました。

医療費削減のための国策ですから、ジェネリック医薬品を扱うメーカーの市場参入も増え、国内に200社ほどになりました。大手メーカーも子会社を作ってジェネリック医薬品販売に乗り出しています。

ただ安値競争があり、急激な後発医薬品メーカー参入で、設備なり製造過程の整備などに、十分な資金を投じていないのではないかという、後発医療品メーカーの構造問題が問われます。

それにしても、これだけのメーカーがあるのにも関わらず、ジェネリック医薬品供給が不足している背景には、いったいなにがあるのでしょう…。

Next: なぜジェネリック医薬品が供給不足に?相次ぐ製薬会社の不祥事

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