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ようやく不妊治療「保険適用」も家計と身体の負担が減らないワケ。“混合診療”禁止に落とし穴=原彰宏

「やめどき」がわからない高額治療

4月1日から、新たに保険適用となる治療法は、この「人工授精」と「体外受精」になるのです。

人工授精(AIH)とは、受精の場である卵管膨大部に必要十分な精子を届けるため、精製選別した良好精子を子宮腔内に注入する治療法です。

タイミング療法で妊娠しなかった人や、そもそも性交障害がある場合などの方が選択する方法です。

性交障害がある人は、今までは、最初から保険適応の治療を受けられなかったということになりますね。

人工授精では、受精・着床後は、自然妊娠と全く同じです。排卵日の推定は、タイミング療法とほぼ同じであり、基礎体温や超音波検査、ホルモン検査などを参考にしながら排卵日を予測し、AIHの日程を決定します。

費用は、1周期(1回の治療)あたり3万円が平均です。

体外受精は、採卵手術により排卵直前に体内から取り出した卵子を体外で精子と受精させる治療です。受精が正常に起こり細胞分裂を順調に繰り返して発育した良好胚を体内に移植すると妊娠率がより高くなることから、一般的には2~5日間の体外培養後胚を選んで腟から子宮内に胚移植します。

※出典:一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ – 生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A):Q12.体外受精とはどんな治療ですか?

ホームページには、体外受精(を含む生殖補助医療)による出生児は全世界で800万人を超えたとも書かれています。

また、一般不妊治療の場合は、もし妊娠しなかった場合の原因究明として、体内で受精が起こっていないからなのか、それとも精子や卵子の力が落ちているからなのかがわからないケースが多く、強く子どもを求める方には、体外受精を希望する割合が増えているとされています。

でも費用が高く、保険適用にならなかった今までは、平均して1回約38万円〜50万円ほどかかったようです。

1回で授かればよいですが、もし体外受精に3回チャレンジするとなると100万円は超えてきます。

一度でも高額出費でチャレンジしたら、授かるまでは何度でもという思いが強くなるようで、1,000万円以上も不妊治療に費やしたご夫婦の例もあります。

後には引けない……という思いのようです。

この「人工授精」や「体外受精」が健康保険適用になると、「人工授精」1回3万円の費用が3割負担で9,000円に、「体外受精」が仮に50万円していたとすると15万円になるということになります。

Next: いまや14人に1人は体外受精。不妊治療の最前線は?

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