高配当株投資の具体的なやり方
次は、実践的なやり方について説明しましょう。実践するための方法として3つタイプを挙げてみました。
- 高配当株ETFを買う
- お気に入りの5銘柄・あるいはセクターを見つける
- 増配銘柄を探す
1つずつ見てみましょう。
高配当株ETF
まず最初に高配当株ETFです。高配当株ETFというのは、実は日本にも、アメリカにも上場しています。
日本で代表的なものでいえば、NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信<1489>というものがあります。
これは日経平均の中から利回りの高い50銘柄を選んで、それを組み込んで作られたETFです。利回りの高い方からなので、トータルでかなり高い水準になっており、現在の配当利回りは4.33%
すでに多くの銘柄に分散されているので、先ほどのJTのように下がり続けることはほぼありません。
実際に、ここの株価はほぼ横ばいで動いています。
横ばいの中で4%以上の利回りが得られているため、安定はしているんじゃないかと思います。
なぜ信託ではなくてETFなのかというと、信託報酬が0.3080%と一般の投資信託に比べて低い水準になっている点が、メリットとして大きいためです。一般の投資信託だと信託報酬が1%、2%というのがざらにありますから、それに比べると相当良心的だといえます。
組み入れられてる銘柄は、今でしたら日本郵船・INPEX・三菱商事・東京海上・日本たばこ産業等。かなり手堅い企業群が入っており、これらの利回りが得られるというのは有難い仕組みです。
その時々の株価や配当の動きによって、順次リバランスも行っているので、入れ替える手間も受け負ってくれるため、日本株でやるならおすすめのやり方です。
米国株高配当ETF
さらにおすすめなのが、米国株高配当ETFです。
米国株はさらに充実していて、特に下記の3つの米国株ETFを押さえれば、間違いないでしょう。
- SPYD特に人気があるETFで、S&Pの利回りの高い方から順に80銘柄を組み入れたETF。
- HDV利回りの高い銘柄の中から「より財務状況の良いもの」を75銘柄選んで組み入れたETF。
- VYMよりたくさんの銘柄に分散したETF。分散すればするほど安定感が高まるため、400銘柄も組み入れられている。
それぞれ高配当株ETFですが、作っている会社によって少し違う特徴を持っています。
直近12ヶ月の配当利回りは、SPYDで3.91%、HDVで3.12%、VYMは2.72%です。
これだけ見るとSPYDは一番利回りが高くていいんじゃないかと見えますが、やはり財務の安定性や分散を考えると、他の2つも株価としては上がっています。
それぞれ一長一短がありますが、400銘柄も分散すると普通のインデックスにも近くなりますから、その辺は塩梅で考えていった方がいいんじゃないかと思います。
米国高配当株ETFは経費率が低い
SPYD・HDV・VYMの何より素晴らしい点が、経費率です。
経費率とは、先ほども少し出てきた信託報酬に該当するもので、SPYDで0.07%・HDVで0.08%・VYMで0.06%になっています。先ほどの日本のETFで0.308%ということでしたから、かなり低い水準に抑えられていますよね。米国はこの辺が整っているのが大きな特徴といえます。
高配当株ETFのデメリット
初心者の方にも高配当株ETFはオススメできますが、1つだけデメリットがあります。
高配当株ETFに投資をする場合、株式を勉強することにならない点です。
先ほども出てきた通り、高配当株投資を初心者にオススメするのは株の原則が学べるから、という理由がありました。システマティックに投資を行おうというのでなければ、ぜひ高配当株銘柄の中からお気に入りの銘柄を探してみてください。これは勉強として非常に大きいと思います。
Next: お気に入りの銘柄・セクターを見つける方法