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「思ってたのと違う…」なぜ不動産投資で利益が出ない?収益悪化時の改善策と悪徳業者に騙されない方法を実例解説=俣野成敏

丸山:そのオーナー様は、所有していた3棟とも同じ地域にありましたので、状況は深刻でした。

「全部売却して損切りする」「一部を売却する」など、いくつか選択肢はありましたが、検討した結果、その方は「1棟を売り、残り2棟の付加価値を上げて生き残りを図る」という方法を選択されました。

「一番価格が安い時に3棟とも売ってしまうと、損失が大きい」との判断からでした。

俣野:売却はできたのでしょうか。

丸山:はい。最初の希望価格より3割ほどダウンしましたが、売却で得た資金を使って残り2棟の内装工事を行いました。これにより物件の魅力を高めて、賃料が下がるのを食い止めることができました。

俣野:すでに、日本では空き物件の増加が社会問題化しつつありますが、この事例から学べることは何でしょうか。

丸山:投資用物件を購入する際は、学校、工場、企業など、人が集まりやすい要素が1つしかないような場所を選ぶのは危険です。状況の変化によって、いつ収益性が落ち込む事態にならないとも限りません。

もちろん立地が良い場所ともなれば、価格もそれなりに高くはなりますが、人が集まる要素が複数ある場所を選択するとか、もしくは地域を1ヶ所だけに偏らないようにする、などの工夫が必要かと思います。

俣野:何ごとも「分散が大事」ということですね。

「お金さえ出せば儲かる」という話にはご用心

俣野:不動産投資の収益性が悪化する要因として、他にどのようなことが考えられるでしょうか。

丸山:ビジネスを行う上では、「誰と組むか?」というのが非常に大事になってきますが、それは不動産投資も同じです。特に悪徳業者に引っ掛かってしまうと、利回りが出ない物件をつかまされることになりますから、ご注意いただければと思います。

最近よくあるのが、2重にローンを組まされるという手口です。若くて融資枠が少ない人や、資金に余裕がない人等が主なターゲットとされています。

物件購入の際に、融資が足りない場合は、頭金を拠出する必要があります。ところが、業者の中には「残りはフリーローンを使えば、頭金は必要ありませんよ」と持ちかけるところがあります。
2重にローンを組めば、それだけ金利がかかりますし、当然、収益性も悪化します。

フリーローンとの抱き合わせで収益が悪化する

フリーローンとの抱き合わせで収益が悪化する

俣野:投資用ローンだけなら利益が出るのに、金利の高いフリーローンとの抱き合わせによって、2重払いをすることになり、結果的に赤字に陥ってしまうというわけですね。他に収入がある方であれば、確定申告で物件の減価償却を行うことで、ある程度の節税効果が見込めはしますが。

丸山:はい。中にはその“節税”ばかりに気を取られ、高額な物件をつかまされてしまうオーナー様もいらっしゃいます。

Next: 節税ばかりに気を取られるのは危険!悪徳業者のターゲットに

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