電気代や食料品の値上げラッシュが話題となっているが、お隣の国・韓国でもインフレが加速している。2022年、韓国の消費者物価5.1%上昇となった。具体的な品目と値上げ幅を紹介したい。問題は、昨年並の値上げが2023年も続くと見られていることだ。(『 2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済) 2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済) 』)
※本記事は有料メルマガ『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2023年1月22日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
韓国でもインフレ加速
韓国経済を解説する『 当メルマガ 当メルマガ では今回、韓国の物価について見ていく。
昨年、韓国の物価は米国に次ぐ速さで上昇してきた。
その原因は、文在寅政権の最低賃金の大幅引き上げによる人件費の増加、コロナ禍、ウクライナ戦争に起因する原油・天然ガスの価格高騰などもあった。
そして、飲食店を始め、商品の値上げラッシュが昨年1月頃から始まっていた。
まあ、これは政権交代前の駆け込み値上げも含まれていたのだが、その結果、2022年は5.1%という大幅な上昇となった。
これは1ヶ月だけ5.1%ではない。平均して5.1%の上昇ということだ。冬の人気のおやつ「たいやき」なども値上げしている。
2022年、韓国の消費者物価5.1%上昇
まずは韓国の消費者物価についておさらいしておこう。聯合ニュースを引用する。
韓国の統計庁が30日発表した消費者物価動向によると、2022年の消費者物価指数は前年比5.1%上昇した。アジア通貨危機さなかの1998年(7.5%)以来の高水準となった。今年12月の前年同月比の上昇率は11月と同じ5.0%だった。
これは12月30日の聯合ニュースの記事で、少し古いのだが年間の消費者物価は5.1%上昇と。アジア通貨危機の7.8%以来の高水準とある。それで、2022年12月は5%上昇だったとしている。
値上げラッシュの内訳は?
では、品目別に見ておこう。
工業製品は6.9%の上昇。中でも石油類の上昇率は22.2%と、1998年(33.4%)以来の大きさとなっている。加工食品は7.8%上昇。農畜水産物は3.8%上昇となった。
電気・ガス・水道は、燃料価格の高騰が影響して12.6%上昇した。だが、これは電気料金を一度に引き上げられない法律があるため、結局、昨年に電気料金が上がったのはわずか数%だ。それでも12.6%上昇している。今年はさらに電気料金が段階的に引き上げられる見込みだ。
飲食店などの個人サービスは5.4%上昇した。これも1996年(7.6%)以来の高水準となっている。さらに、コア物価は4.1%、生活実感に近い生活物価指数は6.0%、それぞれ上昇した。
問題は、電気料金が上がっていることから、このまま高い物価が維持される可能性が高いことだ。
米国を見れば、あれだけ利上げしてようやくインフレが目に見える形で収まってきたのだ。しかし、韓国は3.5%までしか利上げしていない。しかも、これ以上の金利を上げるのは難しい状況にある。さらなる物価上昇は避けられないだろう。
次は、具体的な価格を見ていこう。
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