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大阪万博、海外パビリオン建築申請“ゼロ”で費用肩代わり&労基無視スピード建設を提案?民間パビリオンにも暗雲か=原彰宏

「建設申請ゼロ」に対する博覧会協会側の提案

万博関係者によると、「建設申請ゼロ」の背景には以下の要因があるとしています。

・資材価格の高騰
・深刻な人手不足
・2年という工期の短さ 
・ドバイ万博の1年延期(万博と万博の感覚が縮まった)

今の時点で「建設申請ゼロ」というのをことさら強調して危機感を煽ることはないのかもしれませんが、博覧会協会側が、「デザイン簡素化」「参加国のかわりに協会が建設会社への発注を行う」とか、パビリオンの質を多少落とすことを相手国に提案しているという話を聞くと、ちょっと心配にはなってはくるのですね。

それにしても、協会側のこの提案ってどうよ…。どうやら資材価格高騰に伴い、博覧会協会側が建設費を負担する(いわゆる肩代わりですね)という案もあるそうですよ。

それは国も了承しているかのような発表があったものの、どうやら国側としては「聞いてないよ」という態度だったということだそうです。

真相はどうなのかというよりも、海外パビリオンを日本側の負担で建てるって、それって万博の意味ありますかね。

そもそも今さら莫大なお金をかけて万博に参加する意義ってなんなのでしょう。

1970年当時の、日本の戦後復興の象徴として開かれた万博ならまだ意味があるかもしれませんが、コロナ・パンデミックもあり、大型箱物に経済発展を頼ることに、どれだけの意義があるのでしょうかね。

発展途上国で万博を行うのならともかく、今さら日本で行う意味は、繰り返しますが、本当にどこにあるのでしょう…?

東京で(かつての)五輪再び、大阪で(かつての)万博再び…。いったいなんの郷愁に浸っているのでしょう。

大手ゼネコン側の“嘆き節”も

大手ゼネコン側の“嘆き節”も聞こえてきます。以下、読売新聞の記事です。

※参考:海外パビリオン遅れ、大手ゼネコン「いくらお金もらっても出来ない」…万博協会は道筋示せず : 読売新聞(2023年7月14日配信)

記事には「石毛博行事務総長は年末までに着工すれば開幕には間に合うとの認識を示したものの、具体的な道筋は示せず、万博協会の対応の鈍さが浮き彫りになった」とあります。

さらに読み進めると「大手ゼネコンの幹部は『もはやいくらお金をもらっても出来ないことは出来ない』と話す」ということが書かれています。

安倍総理肝入りの「働き方改革」で、来年4月には、労働基準法の改正で建設業の時間外労働規制が強化される事情もあるようです。

Next: 労基無視で残業を強要?大阪市(運営責任者)がカナダに約束したこと

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