最大の問題は「後継者不在」の状況に陥ったとき
先祖代々から存在していた父方・母方の墓を統合して、いくつかを墓じまいするというのも、高齢者の家族が現存している場合、相当に親族で揉めるという話はよく聞きます。
それでも後継者が存在するならば、正直、大した問題ではありません。
問題は、この後継者なるものが完全に途絶えた状況下で、どう墓じまいしていくかに注目が集まります。
その場合、すでに墓に抱えている遺骨をどうするのか?という問題があります。
不謹慎ではあるものの、墓じまいしたからと言って、そこいらに撒いたり、自宅の庭に埋めたりすることは法律で堅く禁じられています。
そのため、墓地以外のところに埋めることはできないのが実情です。となると、できる方法はかなり限られることになります。
「遺骨」処理に4つの方法?
まず、自分で遺骨を保管するのがひとつです。
また、寺や霊園の永代供養を利用し、一定期間を過ぎたら合祀して事実上墓を合法的に消滅させる方法があります。
さらに、石原慎太郎氏のケースで話題になった、「散骨」というやり方が存在します。海への散骨が一般的ですが、散骨は節度を持って行う分には法的にも問題なしとされています。骨を粉砕するといった準備が必要ですが、これからはこうしたやり方も一般的になるのかもしれません。
強引な手法として挙げられるのは、火葬場で火葬後に「遺骨を受け取らない」というものです。
そんなことができるんかいな?と疑問に思うのは当然ですが、多様化が進んだこの世の中。そんな選択肢を強行する兵(つわもの)も存在するといいますから驚きます。
まあよく電車の荷物棚に置き去りにされて忘れ物として中を確認したら「骨壺」だったという話は、かなり以前から聞いた話。こうした遺骨の処理事情を改めて確認しますと、放置された理由も見えてくるところです。