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本当は安くできる「ガソリン価格」を高くしているのは誰か。補助金でごまかして税金を下げぬ政府の罪=原彰宏

補助金は出すが税金は下げない

「補助金」というお金の流れはこうです。

国 → 燃料元売り会社 →(価格抑制)燃料油販売業者(ガソリンスタンド等)→ 消費者

補助金制度が出されたときは、元売り会社がきちんと燃料価格抑制に使われるのかは疑問だという声もありました。

こんなことをしなくても、ガソリン価格抑制には「トリガー条項」というものがあります。

トリガー条項は、レギュラーガソリン価格が1リットル当たり160円を3カ月連続で超えた場合、揮発油税(ガソリン税)のほぼ半分に相当する約25円の課税を停止し、価格を引き下げる制度です。

3カ月連続で130円を下回った場合は元の税額に戻す仕組みで、民主党政権時の2010年に導入されました。

東日本大震災の復興財源を確保する目的で、2011年から凍結されています。つまり、今は「トリガー条項」を凍結させて、通常(?)の税金を徴収している状態です。

補助金は出すが税金は下げない…。税金を下げるくらいなら、いくらでも補助金を出すといった感じですね。

いったん手にした税収は、どんなことがあっても手放さない……この財務省の姿勢に関しては、東日本大震災復興税終了に伴い、森林環境税を導入したことを解説したコラムでも指摘しました。

【関連】使い道なくても増税?「森林環境税」住民税に上乗せで1人1000円徴収のずる賢さ。一度手にした財源は手放さない財務省=原彰宏

立憲民主党など野党は、いまこそ「トリガー条項凍結解除」すべきだと主張しています。

なぜ「トリガー条項」を使わない?

政府がトリガー条項凍結を解除しない理由は何か…。

税源を手放さない財務省の姿勢もさることながら、どうやら、ガソリンに関わる税の問題を、国民の目に触れさせたくない事情もあるようです。

ガソリン価格の二重課税……ネット上では、以下のような記事もありますね。

トリガー条項の凍結解除には法改正が必要で、国会審議を経なければなりません。そうなれば、審議する中でガソリン税そのものに国民の意識が向く恐れがある。ガソリンには、ガソリン税と石油石炭税が課せられ、さらに消費税がかけられている。『二重課税』と批判されています。税の『撤廃論』が高まれば、税収がガタ減りするため、財務省は徹底抗戦するでしょう。財務省に言いなりの岸田首相は立ち往生してしまいかねません。

出典:ガソリン料金“爆上がり”が岸田政権を直撃! 国民が怒り「トリガー条項」がトレンド入り – 日刊ゲンダイDIGITAL(2023年8月20日配信)

ガソリンには「ガソリン税」と「石油石炭税」が課せられ、その税金が乗っかった金額にさらに「消費税」がかけられています。

まさに「二重課税」状態です。

ガソリンにかける消費税を無くせば良い……実に簡単なことです。実にスマートです。そうするとガソリン価格は低く抑えられます。

Next: 本当はもっと安くできるガソリン代。高騰させているのは……

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