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連日ストップ高のWASHハウス株。トコジラミ騒動でコインランドリー専業企業で上場の同社に脚光も「連想イナゴタワー」との冷めた視線も

コインランドリーチェーンを運営している東証グロース上場のWASHハウス<6537>の株価が、最近のトコジラミ騒動を受けてか、連日ストップ高水準の急騰となっていると話題になっている。

今週明けの4日の始値が272円だった同社株だが、その日の終値は350円とストップ高に。さらに5日も続いてストップ高となり、終値は今年6月8日の年初来高値380円を更新する430円という急騰ぶりになっている。

WASHハウス<6537> 日足(SBI証券提供)

WASHハウス<6537> 日足(SBI証券提供)

高温・高熱に弱いトコジラミゆえに…

このところ世界各地で社会問題となっているトコジラミは、日本においては南京虫と呼ばれ、ごく身近な害虫だったわけだが、殺虫剤の普及によって一時その数は激減。

ところが最近増えているトコジラミだが、そんな殺虫剤などの薬剤への耐性を身につけている「スーパートコジラミ」の存在も指摘されているなど、その駆除がかなり厄介になっているという。

そのためフランスでは駆除のため一時閉鎖する学校も出てくるなど、各地でその影響が甚大なものとなっているトコジラミの繁殖拡大だが、なかでも深刻とされるのが韓国で、現地メディアは韓国語でトコジラミを意味する「ビンデ」と「パンデミック」をかけ合わせて「ビンデミック」と報じられるほどだというのだ。

そんなトコジラミだが、血を吸われると強いかゆみや腫れが1~2週間続くというのだが、さらに厄介なのが一生で500個の卵を産むとされる繁殖力で、一度自宅に入り込んだ日には毎日刺されてしまうといったことも。ただそんなトコジラミも、熱湯や熱風には弱いというウィークポイントはあるという。

となると、各家庭でのトコジラミ対策としては、衣類や寝具類などの洗濯と乾燥の徹底が、まずは頭によぎるところなのだが、とはいえ近年、各家庭に普及しているドラム式洗濯乾燥機における乾燥方式はヒートポンプが主流。

温風が60~65度ほどと比較的低温ということで、衣類が傷んだり縮んだりすることが少ないというメリットを持つ同方式だが、トコジラミ退治が目的ということで考えると、もっと熱い温度のほうが確実に目的を果たせるのは言うまでもない話。そこで、より高温で乾かすガス乾燥機が主流で、しかも布団や毛布などの大物が入る大型機械が揃うコインランドリーの利用者が爆増するのでは……といった話の流れのようだ。

九州を中心に約600店舗を擁するWASHハウス

そんななか、今回取沙汰されているWASHハウスだが、2002年に宮崎市内に2店舗を同時オープンしたのを皮切りに、当初の九州エリアに留まらず、それ以外の日本の各地にもフランチャイズで店舗網を拡大。2023年10月現在で全国に597店舗を有する、一大チェーンに成長した。

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そんなWASHハウスは、全店舗のうち428店舗が九州エリア、さらにそのなかの200店強は福岡県に所在。先述したような状況である韓国と距離的にも近く、実際韓国から多くの観光客が来訪する九州地方では、トコジラミの繁殖拡大に対して特に敏感にならざる得ないということもあり、今後のコインランドリーの需要増が大いに期待される地域とも考えられるところである。

さらに、最近ではカフェなどが併設されたおしゃれなコインランドリーが各地に増殖中といった状況だが、コインランドリー専業の企業で上場しているところというのが、意外にもWASHハウスぐらいしかないということで、そういったことからも関連銘柄として、大いに注目を集めることとなったようだ。

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とはいえ、そんなWASHハウス株の値動きを巡っては、先述の通り新規で個別の好材料があってのものではないということで、あくまで“連想”でしかないといった、冷ややかな声も少なからずあがっているところ。連日のストップ高という急騰ぶりが、果たして今後も続くのか、それともあっさり沈静化するのか、大いに注目されるところだ。

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