日本に大きな影響を与えるリスクも
挙げられたリスクには、日本により大きな影響を与えるものもある。
特にNo.1(米国の敵は米国)とNo.10(分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク )は、米国と経済・安全保障上で緊密な関係にある日本にとって大きい。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であるためNo.6(回復しない中国)も重要だ。
インフレと台湾に関連するその他のリスクも、最も縁起が良いともいわれる辰年を迎えた日本に大きな影響を与える可能性がある。
…このあと、1つ1つ細かく解説されていますので、ネットで見ることができるレポートをご確認ください。もう少しいくつか転載してみます。
リスクNo.1(米国の敵は米国)は、日本にとってもトップリスクだ。
1853年にマシュー・ペリー提督が東京湾に来航して以来、米国は日本人の心の中に大きな存在感を示してきた。
そして戦後、米国ほど日本の経済、政治、安全保障、ポップカルチャーに影響力を持ってきた国はない。
ということは、米国の政治システムに問題が生じれば日本にとってのリスクも大きいということだ。
…この表現、なんかうまく言い当てられているような気がしますね。
トランプ再選をある程度覚悟している東京・霞が関ですが、レポートでは次のように書かれています。
安倍晋三元首相は、黄金のゴルフクラブを贈ったり、ノーベル平和賞候補に推薦したりと、トランプをおだてることにたけていた。
しかし、安倍はもうこの世にいない。
そこで東京では、岸田文雄首相(あるいは将来の指導者)が安倍と同じようにトランプをうまく扱えるのかということが切実な問題となっている。
…そうですね。ご指摘は“ごもっとも”ですね。さらに表現は過激になっていきます。
安倍でさえ、トランプが日本からの鉄鋼とアルミニウムの輸入に関税をかけるのを止められなかった。
米国はまだ日本に対し貿易赤字が大きく(2022年には680億ドル)、第2次政権では貿易赤字を嫌うトランプの怒りを買うだろう。
日本は他の国々とともに、再び関税の対象となる可能性がある。
また、日本は現在、2027年までに防衛費をGDPの2%に引き上げる方向で動いているが、トランプはこれに満足せず、さらに引き上げるよう圧力をかけるだろう。
しかし、日本にはトランプに影響力をもつ道があるかもしれない。
トランプは中国に対して非常に強硬な姿勢を取るだろうから、日本のような重要な同盟国が
役立つと考える可能性がある。
…説得力がありますね。もう少し転載してみます。
日本は米国に対する最大の直接投資国である(2022年で7000億ドル以上)。また、米国を拠点とする日本の製造企業は、50万人以上の米国人労働者を雇用している。
その結果、リスクNo.10(分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク )は、日本にとって非常に重いものとなる。
全米で事業を展開する日本企業は、州ごと(カリフォルニア州やテキサス州など)に大きく異なる政策や規制に対処しなければならなくなる。
政治的な二極化もあり、今年は難しい年になるだろう。
1980年代〜1990年代の日米貿易戦争の後、日本企業は政府の支援を受けながら、関税の対象になるのを避けるために対米投資を急速に拡大した。
当時は賢明な行動だったが、今マイナスとなっている。
日本企業は米国の国内政治の対立に巻き込まれる恐れがある。
…なるほどね。そして、中国経済が立ち直らないことへの日本の影響にも触れています。
今年の「10大リスク」は、なんかイメージしやすい、本当に現実化しそうなものばかりで、恐ろしいですね。やはり今年は、荒れる1年になりそうな予感がしますね。
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