列島を大いに驚かせたドジャース・大谷翔平選手の“電撃結婚”だったのだが、そんな大谷選手のある意味での“関連銘柄”として知られる大谷工業の株価も、今回の発表を受けて急騰する場面があったようだ。
2月29日の終値は8,710円だった大谷工業株。ところが、同日夕方ごろにもたらされた大谷選手結婚の報道を受けてか、翌3月1日は取引開始直後に一時1万円台の大台に乗るなど、同社の株価は急騰。
その後、午後になると株価は下落していき、1日の終値は前日終値から230円高(2.64%)の8,940円に。ご祝儀買いが入ったがゆえ……との見方が専らなこの乱高下なのだが、SNS上からは「株は意味わからんな」「怖くて買わないけど」などとの声もあがっていたようだ。
大谷翔平の結婚で、なんも関係ない大谷工業の株価が1000円以上あがって一時は1万超えたの、株は意味わからんな……。 pic.twitter.com/cu93amw2hK
— らいす (@mazikichi03) February 29, 2024
1万寄って1000円下げる
きつー
怖くて買わないけど#大谷工業 pic.twitter.com/Hf6svxKdTm— バリュー投資家マン(新NISA指導) (@HTfuvB8Q8j28785) March 1, 2024
昨年末には5,000円台前半まで下落していた大谷工業株
都内に本社を置く鉄鋼製品メーカーである大谷工業。あの「ホテルニューオータニ」の創業者である、戦前戦後期の著名実業家・大谷米太郎氏が設立した大谷重工業にルーツを持ち、現在も主要株主に株式会社ニュー・オータニが名を連ねることでも、一部投資家の間では知られた存在である。
そんな大谷工業の存在が、一躍クローズアップされることとなったのが、2023年3月のこと。野球の世界的大会「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で、大谷選手の投打に渡る活躍もあって日本が優勝を飾った際に、それまで4,000円代前半で推移していた大谷工業の株価が、わずか8営業日で4倍程となり、一時は1万3,000円台に届くところまで跳ね上がったのだ。
その後、WBCの熱狂が冷めると早々と6,000円台まで下げるも、月間15本塁打と打ちまくった6月末には再び1万円台を回復し、またその後には下落……という風に、まったく無関係である大谷翔平選手の活躍に連動する形で、乱高下を繰り返した大谷工業の株価。
しかしながら、レギュラーシーズン終了後の同年11月に、大谷選手が満票による2度目のMVP獲得という、メジャーリーグ史上で初となる快挙を成し遂げた際には、大谷工業の株価はまさかの下落。さらには、10年総額7億ドル(約1,015億円)という超大型契約でドジャースに移籍することが報じられた同年12月上旬にもガクッと下がり、年末あたりには5,000円台前半まで落ち込んでしまった。
そもそも“悪ふざけ”といった声も少なからずあがっていた、大谷選手の活躍と大谷工業株の連動なのだが、そんなお遊びにも投資家がすっかり飽きてしまったから……との見方も浮上していたこの株価下落。
さらには、大谷選手が「WBCで世界一」にくわえ「メジャーでMVP獲得」という、プロ野球選手とっての最高の栄冠をことごとく勝ち取ってしまったことから、もはや材料出尽くしでは……といったクールな反応も多かったわけだが、そういった向きにとっても今回の“電撃結婚”には、思わず虚を突かれてしまったというのが、今回の値動きに反映したとも考えられそうだ。
阪神が優勝した年は日経平均が2ケタパーセント上昇する
このように、大谷工業の株価の推移にも大きな注目が集まった1日の市場なのだが、日経平均株価のほうも前日より700円以上値上がりし、3万9,910円82銭で取り引きを終了。終値としての史上最高値を更新している。
先月下旬にはいわゆる“バブル期最高値超え”を果たすなど、その上昇ぶりが連日取沙汰されている日経平均だが、これも大谷選手同様に“野球関連”の視点でいえば、一部投資家の間で根強く信じられている「阪神タイガースが優勝した年とその翌年は株高」というアノマリー通りの展開になっている状況だ。
というのも過去40年間で、阪神のリーグ優勝は昨年の2023年も含めて4回あったわけだが、その各年の日経平均の上昇率をみてみると、2023年が28.2%アップとなったのをはじめ、いずれも2ケタパーセントの上昇に。
なかでも球団史上初の日本一を果たした1985年といえば、いわゆるプラザ合意によって日本のバブル経済がスタートした年。同年初に1万1,000円台だった日経平均は、そのわずか4年後の1989年には、先述したバブル期最高値まで跳ね上がっていったのだ。
いよいよ4万円超えも間近……という段階に入った現在の日経平均株価だが、そんな“阪神アノマリー”を踏まえれば、今後4万円の壁もすんなりと飛び越し、さらなる上昇も大いに期待できそうといったところか。
ちなみに、もし仮に阪神が今年もリーグ優勝、さらに2年連続の日本一となった日には、日経平均はいったいどうなってしまうのか……といったあらぬ期待も膨らむところだが、悲しいかな阪神は創立から80年以上の歴史において、連覇を果たしたことが一度もないため、どうなるのかは全くの未知数のようだ。
Next: 「二刀流で米国株は上げるし日経平均も大暴騰させちゃう大谷選手」